令和7年5月 町政報告(TV)
みなさんこんにちは、令和7年度が本格的にスタートしましたので、町政報告をさせていただきます。
(合併20周年記念)
中央、旭、柵原の3町が平成17年3月22日に合併し、美咲町も二十歳(はたち)を迎えました。町民の皆様と一緒に20周年をお祝いするとともに、美咲町を全国に広めるため,様々な事業を展開していきます。
町は合併20周年を記念して「町勢要覧」を作成しました。町が取り組んでいるまちづくりをわかりやすく紹介するとともに、町の良いところを町民の方に語っていただくコーナーも設けています。併せて、合併後の20年間の歩みを振り返る冊子も作成しました。後日、町民の皆様に配布します。
また、合併20周年をするため作成した記念ロゴは申請いただければだれでも利用できます。
合併20周年記念式典については、令和7年秋ごろを予定しており、これまで美咲町を支えてくださった方々に感謝の意を表するとともに、30周年に向けた新たな美咲町の門出としたいと思っています。
いくつかの記念イベントを計画しており、まずはその第一弾として、NHKとかんぽ生命が行っている「巡回ラジオ体操・みんなの体操会」が8月8日、柵原学園を会場として開催されることが決定しました。合併20周年を祝うとともに、健康づくりの機運醸成につながるよう取り組んでまいります。
10月には旭地域のあさひなたでテレビ東京「開運!なんでも鑑定団」の公開収録が行われることになりました。系列局のテレビせとうちの開局40周年として同局ともタイアップし、全国に美咲町を売り込んでいく計画です。お宝をお持ちの方はぜひ手を挙げてください。
町民の皆様は、地域の行事などを20周年記念イベントとして位置づけ、町制施行20周年の盛り上げにご協力くださいますよう、よろしくお願いします。
(大規模プロジェクトの完成)
合併20周年に向けて新たなまちの骨格として整備した、いわゆる三大プロジェクトも3月ですべて完成し、まちはその姿を大きく変えようとしています。
県北初の小中一貫義務教育学校「旭学園」と「柵原学園」は多くの注目を集め、海外も含めこの2年間で200件を超える視察を受け入れています。
また、美咲物産センターは売り上げが20%以上増加し、生涯学習センター内の公民館は利用者が7倍以上増えるなど交流の輪が広がっています。
旭地域多世代交流拠点「あさひなた」は、3月31日に旭総合支所と公民館がオープンし、4月1日には西川診療所や子ども第三の居場所「みさキッズ」が業務を開始しました。5月11日に岸田吟香資料館や図書館が業務を開始し、「あさひなた」の完成記念式典を開催しました。
中央地域多世代交流拠点「みさキラリ」の役場本庁舎については、4月25・26日に内覧会を実施し、約400人が来場されました。5月12日から業務を開始し、5月17日に完成記念式典を開催しました。これまでにご協力いただきましたすべての皆様に、あらためまして心から感謝申し上げます。
多世代交流拠点は、住民の皆様の交流促進や利便性向上、維持管理コストの低減を目指して整備を進めており、さらに行政サービスの向上も大きな目的の一つです。
新庁舎移転に併せてデジタル技術を活用した窓口サービスを開始しました。
まず、柵原総合支所が3月24日に窓口サービスを開始したのを皮切りに、順次本庁と旭総合支所の各窓口で、マイナンバーカードなどを活用して、各種証明書の発行時、住所、氏名などの記入を省略できる書かない窓口、クレジットカードや電子マネーのQRコードで支払うことができるキャッシュレス決済を導入しました。
また、スマートフォンやタブレットなどの端末から、いつでもどこでも申請できる行政手続きのオンライン化など、生活がより便利で豊かになるようデジタル技術を活用し、新しいサービスを住民の皆様に提供できるよう、DXの推進に取り組んでいます。
(令和7年度当初予算について)
合併20周年を踏まえた大規模プロジェクトは令和6年度でおおむね終了しましたが、7年度はこうした新拠点を生かしながら、新たなまちづくりを行うために必要な予算を取りまとめました。
持続可能な財政構造の確立のため、一般財源を圧縮できるよう各所属に要求上限を設け、起債やその償還についても、中長期的な見通しでコントロールするなど、財政健全化に取り組んでいます。規律ある財政運営を堅持し、将来負担の軽減を図りながら、徹底した歳出削減を図るとともに、将来を見すえた「賢く収縮するまちづくり」を今年度も基本目標とし、これまで以上に選択と集中を徹底してまいります。
限られた財源の中で必要性、緊急性のある事業に集中して取り組むことを念頭に、質の高い行政サービスの実現を目指します。
予算規模は、一般会計が前年度に比べて約26億円減の112億9,900万円余となっています。
新たに取り組む事業については、費用対効果を考慮しながら、合併20周年記念事業、重層的支援体制の整備、分譲住宅地の整備、衛星から電波を利用した漏水調査、水道基本料金補助や社会福祉施設への支援など物価高騰対策支援交付金事業などに取り組みます。
昨今、人口減が押し寄せる中で全国の自治体が子育てや移住者誘致で経済支援競争を展開する傾向がありますが、私は「近き者悦び 遠き者来たる」。
そこに住んでいる人たちが幸せに暮らしていれば遠くからも人が集まってくるという古くからの言葉ですが、まずは町民のみなさんが幸せに感じられるまちづくりが大切です。
以前申し上げました通り、「何か新しいことを始めるのであれば、既存事業を何かやめる」―。これは施設の建設にもいえることですが、そうした方針でこれからも町政運営に努めてまいります。
(振興計画の策定)
次に、振興計画の策定についてです。まちづくりの方向性を「ひと 輝くまち みさき」と定めて計画した第三次美咲町振興計画は、令和6年度が最終年度となっていました。
次期振興計画の策定に向け、13地区での住民座談会や小地域ケア会議でのご意見、地域福祉計画策定や子ども計画策定のためのアンケートの結果などを参考に、昨年度中に計画を策定する予定にしていましたが、1月に令和6年の子どもの出生数が39人であることがわかりました。
若い世代の意見をもっと聞く機会を設け、彼らの描く美咲の未来像も参考にしながら振興計画を策定していく必要があると判断いたしました。
住民との対話を重視したまちづくりで全国的に知られる兵庫県朝来市の職員を講師に迎え職員研修会を実施したり、美咲町の職員が朝来市で開かれた市民の対話イベントに参加して学んできました。
こうしたことを生かしながら7年度は、特に若い世代の方から意見を伺う機会を設けたいと考えていますので、若い世代の方の積極的なご参加をお願いします。
これまでに伺ったご意見やアンケートの結果に加え、若い世代や女性の意見を特に参考にしながら、7年秋ごろを目途に未来志向の振興計画を策定する予定にしています。
(こども・子育て支援)
次に、こども・子育て支援についてです。
町の抱える少子化の課題を把握するため、県の実施する少子化対策バックアップ事業に取り組んでいます。町の実態から見えてきた課題に対し、データ分析の専門家であるアドバイザーに指導を仰ぎながら仮説をたて、データ分析による仮説の検証を行うため、転入・転出のアンケートの内容を刷新しました。新たなアンケートを今年1月から実施しています。
さらに、暮らしの補助制度をとりまとめたチラシを作成し、移住・定住につながるよう、ホームページなどSNSによる情報発信を行うとともに、3月からは不動産業者に直接情報を提供しています。
旭地域の子ども第三の居場所は、旧旭小学校のランチルームを改修して整備し、愛称を「みさキッズ あさひ」としました。
旭児童館の機能に加え、寺子屋として学習支援をするとともに、こどもの個性に合わせた居場所となるよう取り組んでまいります。
4月からはこの「みさキッズ あさひ」が旭地域の子どもたちにとって放課後などの新しい居場所となりました。
町はこども政策を総合的に推進するため、令和7年4月から5年間を計画期間とする「美咲町こども計画」を3月に策定しました。
保護者のニーズ調査に加え、こどもの意識調査も実施しましたが、その中でこどもたちに「自分にはよいところがあるか」との質問をしたところ「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が8割を占め、自己肯定感が高い結果となりました。家庭、学校、地域がこどもたちを認める、尊重するといった意識が高いことの裏付けだと思っています。
3月に開催した子ども・子育て審議会で、「美咲町こども計画」の5年後の出生数の目標を50人にしました。令和6年に生まれたこどもの数は39人であり、この目標の達成はかなり高いものですが、子育て環境の整備を町の最重要課題の一つとして高い目標を掲げ、みなさんで実現させていきたいと考えています。
子育て支援は最高の高齢者福祉施策でもあります。どうか、町民の皆さまも子育て支援を自分ごととしてとらえ、地域ぐるみで子どもの成長を支えていただくよう、ご協力をよろしくお願いします。
(学校教育活動)
教育につきましては、令和5年度の加美小学校の「子どもの読書活動優秀実践校」の表彰に続き、旭学園が「コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進」の取り組みが他の模範として評価され、文部科学大臣表彰を受賞しました。美咲中央小学校では生活リズム向上への取り組みが優良活動として岡山県知事から最優秀賞をいただきました。
柵原学園は、郷土学習で学んだ防災教育が日本ユネスコ協会連盟主催の減災教育プログラムに選ばれました。
今年度も、3地域の特色を生かし、地域に根差した学校教育の推進をさらに進めてまいります。
美咲町の教育方針の根幹である第3次美咲町教育振興基本計画は令和7年度までの計画となっています。第4次の計画では地域と学校がより一体となった「自ら学び 共につながり みんなの夢を育む 美咲の人づくり」をより推進する計画策定に取り組んでまいります。
また、第2次美咲町生涯学習推進計画も第4次美咲町教育振興基本計画と併せて、令和7年度に策定する予定としています。
(小規模特認校)
次に、小規模特認校制度についてです。
小規模特認校制度とは、一定規模の学校を維持していくため、通学区域に関係なく町内外から就学を認めるもので、児童生徒の適正化を図ることを目的に行う制度です。
旭地域の活性化には学校の存続は必要との判断から、義務教育学校旭学園を地域に残すという重い決断をいたしました。
特色のある教育を行うため、旭地域を英語特区として位置づけ、英語教育に力を入れるとともに、令和7年度から子ども第三の居場所を設置し、旭地域の教育環境の充実を図ることにしています。
しかし、旭学園の児童生徒数は90人を切っており、今後も減少が見込まれることから、美咲町総合教育会議で、義務教育学校旭学園を小規模特認校に指定することにしました。
令和8年度からの就学を目指して、令和7年度中に制度設計を行い、子育て世帯を対象とした賃貸住宅である中間管理住宅の整備を引き続き進めてまいります。
(行財政改革)
次に、行財政改革についてです。
厳しい財政状況の中、大規模プロジェクトを進めながら、未来に過度な負担を残さず、持続可能なまちづくりを行うためには、行財政改革の推進は欠かせません。
行財政改革審議会は町民や専門分野の有識者で構成されており、令和6年度も5回の審議会を開催し、ご意見をいただきました。特に、水道事業の見直しについては専門部会を設け検討していただきました。7年度も引き続き、審議会を開催することにしています。
町は「賢く収縮するまちづくり」の一環として、特に建築系公共施設の縮減・再配置を積極的に推し進め、6年度の除却・解体の契約額は約20億円となっており、一般会計予算の1割を超えました。人口減少を見すえたまちづくりが各種メディアで取り上げられるなど全国的な反響を呼び、6年度は北は北海道から南は宮崎県と20件を超える視察があり、義務教育学校への視察を含めると230件以上の視察・訪問を受けています。
この2月、100を超える自治体と連携している大正大地域構想研究所主催の「人口問題と地域の将来を考える~賢く縮む とは~」と題したシンポジウムで講演させていただき、研究所長である片山善博元鳥取県知事、総務大臣ら著名な方と対談する機会もいただきました。
「収縮」という言葉にはマイナスのイメージがありますが、将来を見すえて「賢く収縮するまちづくり」は、決してネガティブな方針ではなく、未来に向けての足場固めです。高知県では「賢い収縮」戦略、兵庫県佐用町では「縮充」という表現で、本町と同じように将来を見すえた取組を始めています。
町は、行革により新しく生み出したヒト、カネ、モノといったリソースを未来への投資として活用するとともに、今後避けては通れない上下水道や道路や橋、光ファイバーなどの改修に充てていかなければならないと考えています。
(ふるさと納税)
次に、ふるさと納税についてです。
ふるさと納税は、町の貴重な財源となっています。昨年度の寄附額は、返礼品の充実を図ったものの、1億円を下回り、9千万円程度となりました。今年度のふるさと納税の増加に向けて、昨年度の状況を分析した上で、新たな対策を検討し、寄附額の確保に努めてまいります。
また、一昨年度から運用を開始した企業版ふるさと納税は昨年度は大幅に増加し、3千万円を超える寄附がありました。ご寄附いただいた企業の皆様に厚くお礼申し上げるとともに、引き続き、ご賛同いただけるようなプロジェクトを実施してまいりたいと考えています。
町民の皆様におかれましては、町外にお住まいのご親戚やお知り合いの方へ、ふるさと納税へのお声がけをしてくだされば幸いです。
(官民共創)
次に、官民共創についてです。
少子高齢化の進展により社会が複雑・多様化し、社会環境が大きく変化する中、従来のやり方や考え方をそのまま踏襲していたのでは地域の抱える課題解決は困難で、様々な分野の多様な人たちとの連携、言い換えれば、町民、NPO、大学、企業などと「官民共創」を推し進める必要があります。
美咲町はこれまでに、令和3年度に日本郵便と包括的連携協定を締結したのを皮切りに、官民連携事業研究所、天満屋、住友生命、日本生命、岡山県立大学、そしてアイドマ・ホールディングスなどと連携協定を締結しました。アイドマ・ホールディングスには、2月に働く「場所」と「時間」を自由に選べる新しい働き方である在宅ワークの町民向け説明会を実施していただきました。
今後とも官民共創を推進し、協定を締結している企業との連携を強化するとともに、地域課題に即した企業・大学などとの連携を模索し、町民の皆さんが暮らしやすいまちづくりを目指します。
(小規模多機能自治)
次に、小規模多機能自治についてです。小規模多機能自治とは、地域運営組織をつくり、地域課題や困りごとに主体的に取り組む地域自治づくりの取り組みです。
旧小学校区を基本とし町内を13地区に分け、各まちづくり協議会が小規模多機能自治組織づくりに取り組んでいます。
現在4つの協議会が小規模多機能自治組織の認定を受けており、7年度は新たに5つの協議会が認定組織となるよう、伴走型の支援を行ってまいります。またその他の協議会も、小規模多機能自治への理解が進むよう、働きかけてまいります。
また、ふるさと納税の使途にも新たに13地区のまちづくり協議会を加えました。各協議会の財源確保の手段として、ふるさと納税への呼びかけも、協議会の活動の一つに加えてください。
(重層的支援体制整備について)
地域共生社会の実現を目指して、従来の縦割り支援では解決に導くことが難しい複雑で複合的な課題を抱える個人とその世帯に対し、一体的・総合的な支援を行う、いわゆる重層的支援体制整備事業に7年度から取り組んでいます。
併せて、この3月末に美咲町福祉事務所を廃止しました。福祉事務所の廃止は福祉の後退ではなく、福祉事務所業務を専門性の高い県に担っていただき、廃止により生み出された人的、物的資源を重層的支援体制に投入するなど、より福祉の充実を目指していきます。
重層的支援体制の構築にあたり、中核を担う組織として「福祉しあわせ課」を新設し、課内に「重層支援センター」を設置しました。また、「長寿しあわせ課」を「保険年金課」に再編する機構改革も併せて行いました。
新庁舎では、重層的支援に関わりの深い所属を庁舎1階フロアーに集めました。社会福祉協議会も生涯学習センターに入居していますので、役場各課や社会福祉協議会との連携による包括的な支援体制をつくり、福祉のさらなる充実に努めてまいります。
(物価高騰対策支援金交付事業)
次に、物価高騰対策支援交付金についてです。
電力・ガス・食料品などの価格高騰が続いている状況を踏まえ、町は水道の基本料金を7月から3ヶ月間無料にします。
給食費は、食材の高騰により現在の給食費のままでは給食の質の低下を招かざるを得ない状況にあります。給食費の値上げを避けるため、昨年、一昨年に続き、今年も食材などの高騰対策として助成します。今までどおり、子どもたちに安心しておいしい給食を提供できるよう努めてまいります。
次に、給油などの物価高騰による経済的負担の軽減を図るため、美咲町障害者等支援事業及び特定疾患等通院交通費給付事業の令和6年度給付対象者のうち、令和7年4月1日から6月30日までに申請のあった方を対象に6,000円を支給する予定にしています。
社会福祉施設については、光熱水費、給食材料費などの高騰の長期化の影響を受け、安定的かつ継続的なサービスの提供が困難になる状況が全国的に危惧されています。
こうしたことから、町は高齢者、障がい者・障がい児、児童福祉の各施設を対象に国の重点支援地方交付金を活用した「社会福祉施設等物価高騰対策支援金」を交付します。
今後も、社会福祉施設、事業所が、安定、継続してサービスを提供することができ、地域のセーフティネットの役割を果たしていけるよう支援してまいります。
加えまして、電気代や食品の高騰により、経営に影響を及ぼしている町内にある構成員30人以上の農産物直売所に対して、1施設当たり20万円支援します。
引き続き、町民の方への農産物の安定供給にご協力いただければと思っています。
(分譲宅地整備)
大規模プロジェクトの骨格を活かし、分譲宅地を整備していきます。
旭学園や柵原学園への就学を希望する家族向けの宅地として東垪和地区と書副地区に、また、美作岡山道路整備に伴う地域活性化策として飯岡地区に、さらにその他の地域でも分譲宅地を整備していきます。7年度は測量・設計を行い、8年度以降の分譲を目指します。
宅地整備により「こども計画」で掲げた出生数の目標が達成できることを期待するとともに、人口減対策の一助になればと願っています。
(公共インフラの老朽対策)
埼玉県八潮市で発生した下水道管の老朽化が原因とされる道路陥没事故が発生しました。この道路陥没事故をきっかけに、あらためてインフラの老朽化が問題視されています。
日本のインフラの多くは高度経済成長期に整備され、耐用年数50年といわれるこうしたインフラの寿命が来ています。今回のような大規模事故を未然に防ぐためにも、老朽化したインフラへの早期対応の必要性を痛感したところです。
わがまちの上水道は有収率が低く、つまり、管路のどこかで多くの水が漏れており、今のところ大きな事故にはつながっていませんが、水道事業経営の観点からも早急に対応していく必要があります。
従来から漏水調査と修繕は行っていますが、今年度、県のとりまとめにより、他の自治体と共同で衛星からの電波を利用した漏水調査を実施します。この調査をもとに、漏水地域を絞り込み管路の改修を行って行く予定です。
また、能登半島地震の教訓を踏まえ、上下水道耐震化計画を策定し、浄水場などの急所施設や避難施設などの重要施設に接続する管路を優先的に整備していきます。
道路や橋といったインフラも老朽化が進んでいますが、人口減少が進み、財源の減少が見込まれる中、すべての道路や橋を維持していくことが難しくなっています。住民の皆様の利用状況を踏まえ、ご理解をいただきながらあり方を検討してまいります。
(農林業振興関係)
次に、農林業振興関係についてです。農業者の高齢化や労働力不足が続いている中、農作業の省力化を目的として、スマート農業機械(農業用ドローン、農業用ラジコンヘリ、農業用ラジコン草刈機、農業用リモコン草刈機)の購入補助、主食用米のドローンやラジコンヘリを活用した農薬散布補助、操縦に必要な資格取得補助を新たに創設しました。
農地の実態把握のため、農業委員を中心に町内の農地全筆の現況確認をしていただいていますが、大きな負担となっています。
そこで、衛星を活用した農地データの取得とAI(人工知能)との組み合わせによる現地確認の省力化に取り組みます。この取り組みにより、約70%の現地確認が削減できる見込みで、これにより生み出した労力を、農業振興に活用してまいります。
次に、林業振興についてです。林業を本格的に取り組む方や技術向上を目指している方が、林業に必要な資格を取得するための経費を支援するため、令和7年度から「美咲町林業資格等取得支援事業補助金」を創設しました。町が指定する対象資格などの受講料等が補助対象になります。詳しくは産業観光課へお問い合わせください。
(公共交通会議と見直し)
昨年12月、事業者の代表、住民の代表、専門員の方々、今回から学識経験者にも参加いただき、美咲町地域公共交通会議を開催しました。
地域公共交通を取り巻く環境は大変厳しくなっており、利用者の減少、運転手の担い手不足、増え続ける財政負担と多くの問題を抱えています。
会議での協議を踏まえ、黄福タクシーや無償福祉バスのあり方を4月1日から見直しました。
黄福タクシーは、利用料金を地域内は330円から350円に引き上げます。利用条件は申請できる年齢が65歳以上となっていますが、段階的に1歳ずつ引き上げ5年後には70歳以上を対象とする考えです。一方で、現在、妊産婦の利用は出産までと限定していますが、出産予定日から4カ月後までに延長します。年齢に関係なく免許返納者は誰でも申請できるようになります。さらに、通いの場に加え、オレンジカフェへの利用の場合も100円で利用できるようにします。
次に、無償福祉バス(支所間バス旭線・柵原線)については、現状の利用状況を踏まえ、それぞれの支所に走っているものを一本化します。
また、本庁、旭の新庁舎オープンにあわせてバス停を移動しました。
引き続き、町民の皆様の利用状況を踏まえながら、持続可能なまちの公共交通の維持に努めてまいります。
(美咲町防災計画)
県内で9年ぶりに災害対策専門研修トップフォーラムin岡山が開催されました。講師に内閣府防災担当、総務省応援派遣室長及び阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長を迎え、県内の首長らとともに私も参加しました。
現在、岡山県では旭川と吉井川の洪水浸水想定区域の見直しが行われ、今後、水害リスクの空白地域がなくなるように中小河川も含めて全河川が洪水浸水想定区域として示されるようになります。
現在、町は公共施設の集約化に取り組んでおり、70カ所の指定避難所を60カ所に集約しており、より安心していただけるよう配置や施設内容を見直しています。また、これからは学園や多世代交流拠点など地域の核となる防災拠点を中心とした支援体制の構築が必要となります。こうした様々な要素を踏まえ、今後、美咲町防災計画の見直しを行い、災害に強いまちづくりを進めてまいります。
(統計調査)
次に統計調査についてです。
令和7年2月1日を基準日として、農林業に従事されている方を対象に2025年 農林業センサスが実施され、多くの皆様にご協力をいただき、回収はほぼ完了しました。
この調査にご協力いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。
7年度は国勢調査が実施される年です。統計調査は国の基本となる調査で、中でも国勢調査は全国民が対象となる調査となります。引き続き統計調査にご協力いただきますよう、お願いいたします。
統計調査は全国的に調査員の確保が難しくなってきており、美咲町でも同様に課題となっています。統計調査の調査員に興味のある方は、国のホームページをご覧いただくか、地域みらい課へお問い合わせください。
令和2年の国勢調査では、美咲町は県内の人口減少率がワーストでしたが、これまで実施してきた少子化対策や移住定住対策などが功を奏し、最下位から脱却できることを願っています。
(みさき秋まつり)
昨年11月に柵原学園で開催された「みさき秋まつり」につきましては、この1月に「みさき秋まつり実行委員会」が開催され、令和7年度は、11月9日に柵原学園で行うことが決定されました。次回も地域の方を中心として楽しいまつりを計画していきたいと思いますので、多くの方のご参加をよろしくお願いします。
(最後に)
合併20周年の節目の年に、町内3地域で進めてきた大型プロジェクトが完成し、美咲町は新時代を迎えようとしています。引き続き、老朽化した施設の解体除却を進めていますが、学校跡地や公共施設の再編で生み出した土地をいかにまちづくりに生かしていくかも課題です。
町民みなさんと知恵を出し合い、活性化につなげていきたいと思います。
農繁期になりなにかとご多忙のことと存じますが、農業機械による事故、また熱中症などにお気をつけになられ、みなさんが元気でお過ごしになられますよう、お祈りをいたします。
ご清聴、ありがとうございました。