令和6年9月定例会 町長報告(TV)
(はじめに)
皆様、こんにちは
9月議会が終わりましたので、美咲町政についてご報告いたします。
(能登災害)
まず最初に、この度の能登半島豪雨により尊い命が奪われ犠牲となられた方に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
1月1日、石川県能登地方を震源地とする地震により、多くの尊い命が奪われ、甚大な被害が発生しました。
地元では、悲しみもまだ十分癒えぬ中、復興に向けて懸命に努力しているさなかに起きた今回の災害で大きなショックがあったことと思います。私たちに何ができるか考え、被災された方々に寄り添ってまいりましょう。
最近では、地震や線状降水帯の発生により予期せぬ災害が至る所で発生しています。町では住民の皆様の生命や財産を守るため防災対策等に努めていますが、ひとたび大災害が発生すると、行政だけでは被害を食い止めたり軽減することはできません。皆さん一人ひとりの日頃の備えや、消防団をはじめ自主防災組織の力がどうしても必要です。住民の皆さんや行政が一体となって、災害に強いまちづくりを行ってまいりましょう。
(三大プロジェクト)
合併20周年に向けて、「まちづくりの骨格」となる「三大プロジェクト」もいよいよ最終段階に入ってきており、今年度末にはそのすべてが完成する予定です。
義務教育学校「旭学園」、「柵原学園」の開校に続き、5月15日に物産センター、6月30日には生涯学習センターがオープンしました。
物産センターは4ヶ月が経過し、来客数は対前年比7%、売り上げは前年比26%の伸びと、来客数、売り上げともに順調に伸びています。
3ヶ月が経過した生涯学習センターは1階の中央図書館では本を手にする子どもたちや家族連れ、高齢者の方々など多くの方に来館いただいており、移転前と比べると2倍の人が図書館を利用しています。特に2階の中央公民館は利用者が対前年比3.5倍と大幅に増えており、生涯学習講座や各種団体の利用をはじめ、フリースペースの学習コーナーには週末や放課後に生徒、学生が勉強する姿が見られ、色々な世代や目的で利用していただき、複合施設として定着しつつあります。
残る役場本庁舎と旭地域の複合施設の建設については、今年度末の完成に向けて鋭意取り組んでいるところです。
また、中央地域の多世代交流拠点施設の愛称「みさキラリ」に続き、旭地域の複合施設の愛称も公募しています。町内在住、在勤の方、さらには美咲町出身の方ならどなたでも応募できます。応募期限は11月15日となっていますので、皆様のアイデアをお待ちしています。
(ガバナンス)
今年2月のNHK全国ニュースで美咲町のまちづくりが紹介され、5月には日本最大規模の自治学会「日本自治創造学会」で「賢く収縮するまちづくり」のテーマで講演しました。
さらに本町がいわゆる「消滅可能性自治体」から脱却したという発表があってからは、多くの報道機関に取り上げられました。現在、美咲町には全国の市町村や議会からの視察や講演依頼が相次いでいます。
先日は株式会社ぎょうせいが発行している自治体向け月刊誌「ガバナンス」の連載記事「自治・地域のミライ」の取材を受けました。毎月首長を紹介しており、私は43人目とのことでした。美咲町が選ばれたことに驚き、大変光栄な思いでした。
取材では、「賢く収縮するまちづくり」(スマート・シュリンク)を進めるうえで、地域の新たな拠点であり、まちの骨格となる施設として整備している三大プロジェクトの中で、「柵原学園」を取材場所として選びました。
町長就任への思いや、これまでに取り組んできた重点施策についての質問があり、町政が停滞し混乱する中、「火の中に飛び込む思い」と、「ふるさとを何とか再生させたい」との思いで就任したことなどを説明しました。
重点施策については、就任当初、行政の体を成していなかった役所組織の改革とあわせて、職員の意識改革と研修に力を入れてきたこと。地域では、人の絆を取り戻し住民が主体のまちづくりを行うため「小規模多機能自治」に取り組んでいること。
不要不急な数億円単位の事業を取りやめたり、国や県の支援を得ながら財源を生み出し、行革を進めながら未来に向けたプロジェクトに挑戦したこと。「こどもの笑顔は みんなの幸せ 子本主義 美咲町」を合言葉に、地域ぐるみで子どもの成長を支えているまちを目指していることなどを話しました。
写真撮影では、子どもたちが「町長、町長」と言って笑顔で私のもとに集まり、一緒に写真に納まってくれました。その屈託のない子どもたちの様子を取材のスタッフも笑顔で見守っていました。
放課後学習サポートの寺子屋では、学習支援ボランティアに見守られながら子どもたちが宿題に取り組んでいました。子どもたちは美咲の宝です。まち始まって以来の大きなプロジェクトでしたが、柵原学園を建設して本当に良かったなあと感じました。
私が就任した当初、役場全体が下を向き、何かに新しくチャレンジしたり、悪しき慣習を改善しようといった姿勢はまったく感じられませんでした。
これからのまちのあり方を真剣に考えた結果、将来に負担を残さないために「賢く収縮するまちづくり」を第3次振興計画や行革大綱で打ち出しました。
不安な気持ちでいっぱいでしたが、ある職員が「賢く収縮するまちづくり」が上手くいけばあの『ガバナンス』に載りますよ。美咲町にも先進地視察が来ますよ」と言っていたことを思い出します。
何から手をつけていいかわからない、当時の町の状況を思えばそんなことはまったくの冗談話でした。
かつて下を向いていた職員たちも今では前向きに提案し、支えてくれています。まだまだ、住民や議員の皆様からお叱りを受けることもありますが、ご理解、ご協力をいただきながら、まちづくりを進めてきた結果が、今日のように美咲町が注目を集めるようになった要因だと感謝しています。
このまちづくりの流れを止めるわけにはいきません。町民の皆様、ぜひ一緒にこの歩みを進めてまいりましょう。
(組織改革と政策立案能力の向上)
ガバナンスのインタビューでも説明しましたが、賢く収縮するまちづくりを推進していくためには、役場組織や職員の資質、政策立案能力の向上を図る必要があることは言うまでもありません。
私が就任してまず取り組んだのが役場の組織改革でした。「地域みらい課」や「くらし安全課」を新たに設置し、旭・柵原各総合支所の2課を統合して「地域振興課」を置き、機動的な組織としました。国や県、民間から政策推進監や教育次長を配置し、組織として政策や課題を検討する「政策調整会議」を設け、政策立案・実行能力のアップに努めました。
新たな人事評価制度の導入をはじめ、公務員の人材育成の第一人者、公務員研修協会の高嶋代表理事の研修を5年間続け、早稲田大学マニュフェスト研究所の人材マネジメント部会に毎年3人ずつ職員を派遣し、地域経営をリードすする職員の育成に努めました。さらに、農水省や県との人事交流も積極的に行い、組織に新たな風を吹き込みました。
こうした取り組みの成果でしょうか、岡山県町村会から全国町村会へ提出した7件の要望事項のうち3件が美咲町の提案で、全国町村会からの要望事項として国へ提出されました。
大変うれしい成果であり、職員には引き続き自己研さんに励んでほしいと期待しています。
(施設の集約化)
旧町ごとの3大プロジェクトにより、新たな拠点をつくるのと同時に、各地区の公共施設の再編集約、ファシリティーマネジメントにも取り組んでいます。これから増え続ける公共施設の維持管理更新費を抑えるためです。
合併特例債の発行期限が迫る中、飯岡地区では体育館や老人憩いの家、コミュニティハウスなどを集約して、新たな拠点施設を整備する英断をいただきました。大垪和地区でも、旧大垪和小学校校舎や地域活性化センター、老人憩いの家などを集約して新たな拠点施設を整備することで地元同意が得られ、さらに、吉ヶ原地区でも児童館解体の了解をいただいたところです。
美咲町は建築系公共施設の延べ床面積が人口1人あたり全国平均の2倍以上あり、現在年間平均6億円程度かかっているこうした施設の維持管理更新経費が老朽化に伴い、やがて11億円になるとの試算があります。将来の負担を軽減するため、国が7割近くをみてくれる合併特例債を活用して実施しています。ご理解をいただきますようお願いします。
(一部事務組合等)
一部事務組合は、複数の市町村などが、事務を共同処理する目的で設置する団体です。
美咲町は合併前の旧町が近隣自治体とそれぞれ組んでいた一部事務組合をそのまま受け継いでおり、現在全国的にみても非常に多い9つの一部事務組合があります。
養護老人ホーム静香園や特別養護老人ホーム吉井川荘のように施設が町内にある組合もあれば、津山圏域クリーンセンターや津山市の汚泥再生処理センターのように町外の施設もあります。
一部事務組合が運営する多くの施設は老朽化により大規模修繕や施設の解体が避けられず、中には人口減少に伴い運営が厳しい組合もあります。
一部事務組合ではありませんが、5市町で運営している岡山中央総合情報公社は構成団体の一部が脱退し、来年度以降は負担金が大幅に増えることが確実になっています。
今後とも関係市町村と協議を重ね運営費を抑える努力をしながら住民生活を守っていきたいと考えています。
(こども・子育て支援)
次に、こども・子育て支援についてです。
9月1日から子育て世帯訪問支援事業をスタートさせました。訪問支援員が子育て家庭や妊産婦、ヤングケアラーがいる家庭を訪問し、調理、掃除などの家事、育児の支援を行うことで、家庭や養育環境を整え、虐待リスクの高まりを未然に防いでいくための取り組みです。また、子育てへの不安解消につなげるため妊産婦の方も利用可能な制度となっています。子育てに不安のある方は遠慮せずご利用ください。
旭地域の複合施設に計画している「子ども第3の居場所」は、B&G財団から施設整備に対する助成決定の通知があり、5千万円の支援が受けられることになりました。10月中頃には助成決定書の授与式を予定しています。
児童館と同様の機能を持つ施設で、英語特区とともに旭地域の教育環境のさらなる充実につながるものであり、「旭学園」と「子ども第3の居場所」がしっかり連携することで、最も人口流出が激しい旭地域で、移住・定住や越境入学につなげていければと期待しています。
令和7年3月の開設に向け整備してまいります。
柵原鉱山資料館には、「赤ちゃんの駅」整備します。乳幼児を抱えるご家族ならだれでも授乳やおむつ交換ができるスペースで、美作県民局管内では初、県内町村でも矢掛町に次いで2番目の設置となり、10月末の完成を目指しています。
町は令和5年度から少子化の要因などを分析し、各地域の実情に応じた効果的な少子化対策を進めていくことを目的に、岡山県少子化対策バックアップ事業に取り組んでいます。
今年度は、課題解決に向け専門的立場からアドバイスを行う経済産業省の「キーパーソン派遣事業」を活用し、バックアップ事業で検討した事業案に対し専門家からアドバイスをいただきながら、少子化対策として効果的な事業立案となるよう取り組んでいます。
次に、「美咲町こども計画」策定についてです。
令和5年4月1日に施行されたこども基本法では、市町村は「こども大綱」と「都道府県こども計画」を勘案し、「市町村こども計画」を策定することが努力義務として課せられました。
令和6年度は「第3期子ども・子育て支援事業計画」の策定年度となっており、この改訂に合わせ、これまでの子ども・子育て支援事業計画や他の子どもに関する計画を内包する形で「美咲町こども計画」を策定することとしました。
中長期的な視点から、次代の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ育つ環境の整備を総合的・計画的に推進するための基本的な計画で、期間は令和7年度から11年度までの5年間となっています。
こども計画は、自治体の施策や地域資源、こどもや子育て当事者の意見を反映して作成されるものです。昨年度行った子育てニーズ調査や今後行う小学生、中学生へのアンケート調査でいただいたご意見を基に、こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」の実現につながる実効性のある計画となるよう努めてまいります。
昨年4月にリニューアルオープンした中央児童公園のみさキッズパークは今年度、新たにシーソー、ブランコの遊具を2つ追加しました。
これでわくわくスカイドリームファンタジー、レインボーキャッスルの複合遊具など42の動きのアイテムが揃いました。売り上げの一部が子育て応援に充てられる自動販売機や休憩所も用意しておりますので、ぜひ、家族みなさんでおこしいただき、楽しい時間をお過ごしください。
(学校教育活動)
次に、学校の教育活動についてです。
まず、義務教育学校については、旭学園と柵原学園に9月27日、岡山県教委の中村教育長が視察に訪れました。昨年度の旭学園と同様に柵原学園も非常に注目度が高く、すでに45件の視察を受け入れています。
柵原学園が日本ユネスコ協会連盟主催の減災教育プログラムで全国30校の中の1校に選ばれました。総合学習で取り組んだ、柵原地域での災害(水害)の歴史をこれからに生かす減災教育が評価されました。
先日は、「全国へき地教育研究大会分科会」が旭学園で開かれました。へき地にできた義務教育学校での開催ということもあり、当初の想定を大幅に上回る160人以上の教育関係者や文部科学省の官僚が参加されました。当日は、住民代表や生徒、校長らによるパネルディスカッション、住民がゲストティーチャーになった公開授業が行われ、地域と一体となった「地域協働学校」のあり方を紹介しました。
加美小は、「子供の読書活動優秀実践校」として文部科学大臣表彰を受けており、読書への継続的な取り組みが評価されています。美咲中央小や中央中もコミュニティ・スクールの充実を図り、地域と連携した特色ある教育活動の実践に取り組んでいます。
(全国及び県学力・学習状況調査)
次に、本年度の全国学力・学習状況調査についてです。4月18日に小学校6年生と中学校3年生を対象に実施したところ、小学校算数と中学校国語は県平均とほぼ同程度でしたが、小学校国語と中学校数学は、県平均を若干下回る結果となりました。しかしながら、授業での内容理解の指標である「授業の内容はよく分かる」は、高い傾向を示しています。
県学力・学習状況調査は全国の学力・学習状況調査と同日に、小学校3年生から5年生と中学校1・2年生を対象に実施しました。小学校では全学年で国語、算数ともに県平均を上回る結果となりました。中学校は、1年生は数学が全国または県平均を上回り、国語、英語は全国または県平均を若干下回る結果となりました。2年生は国語と英語が全国または県平均を上回り、数学は全国平均と同程度でした。特に2年生の英語は県平均を9ポイント程度上回る好結果でした。
今回の結果を踏まえ、課題の解決を図るとともに、教育委員会と学校が連携した小中一貫教育を主軸とした着実な学校教育をさらに推進してまいります。
(柵原学園地域連携について)
4月に開校した柵原学園は、5月から体育館、グラウンド、交流ホール、多目的室など学校施設を社会教育、社会体育施設として多くの団体にご利用いただいています。地域の交流の場、活動の場としてさらにご利用いただけるよう、グランドに照明設備を設置します。
放課後の時間では多目的室を放課後子ども教室「寺子屋やなはら」として活用しており、「やなはら児童館」が併設されたことから、学習支援と子どもの居場所の役割分担ができたことで、子どもたちの成長に応じた利用が可能となり、寺子屋の利用者は前年比3倍となっています。
7月6日には柵原学園開校記念イベントとして、トライフープ岡山の選手によるバスケットボール教室が体育館で開催され、町内外の小中学生ら100人以上の参加がありました。トップアスリートから直接指導を受け、子どもたちには貴重な体験となったことと思います。
旧柵原町のご出身で、40年ほど前ボートハウスのブランドで一世を風靡し、また現在もキャプテン・サンタのブランドで有名なジョイマーク・デザインの創設者である下山好誼さんから、柵原学園の児童・生徒全員にトートバックのプレゼントがありました。下山さんに感謝の意を伝えようと、WEBによる交流会を先月26日に柵原学園で行いました。下山さんは、これまでの人生で多くの人に出会い支えてもらった経験や、夢を持って努力することの大切さを話され、学園生たちは真剣に聞き入っていました。
いつかこの子どもたちから「美咲町で育ったから夢がかなった」と言ってもらえる日を楽しみにしています。
柵原学園交流ホールでは出前議会が行われるなど、地域の方の交流の場、地域づくりの場としても利用されています。今後も「学校を核とした地域づくり」の拠点として、どうぞご利用ください。
(小規模多機能自治)
次に、小規模多機能自治についてです。小規模多機能自治とは、自治会の枠を超えて多くの住民参加を得ながら、地域の課題に対応したり、楽しみを見い出していく試みです。
令和4年度の倭文西まちづくり協議会の小規模多機能自治組織認定第1号に続き、令和6年度には、「大垪和多機能自治協議会」「打穴まちづくり協議会」「北和気地区コミュニティ推進協議会」を小規模多機能自治組織に認定しました。
続いて、「加美まちづくり協議会」、「江与味自治会」、「飯岡地区コミュニティ推進協議会」が中学生以上の住民全員アンケートを実施しており、話し合いの中ですでにできることから事業に取り組むなど組織の認定に向けて着々と準備が進められています。
「垪和地区協働のまちづくり推進協議会」や「吉岡コミュニティ推進協議会」も毎月会議を開催し、住民アンケート作成に向けて動き始めました。
今回認定させていただいた打穴、大垪和、北和気地区とも住民のみなさんが地域の将来を3年半にわたって話し合われ、新しいまちづくりがスタートしました。その他のまちづくり協議会でも小規模多機能自治に取り組んでいただけるよう伴走型の支援をしてまいります。
(ふるさと納税)
次に、ふるさと納税についてです。
ふるさと納税は、町の収入増を図るうえで、貴重な財源です。美咲町の返礼品としてブドウ、ピオーネやシャインマスカットに加えて、棚田米も人気の返礼品ですが、ここへきていわゆる米不足が社会問題化しています。
町も引き続きPRに努めてまいりますので町民の皆さんも町外にお住まいのご親戚やお知り合いの方へふるさと納税への声かけをしてくだされば幸いです。
また、美咲町は旭学園、柵原学園の整備など、教育環境の充実に力を入れており、義務教育学校の取り組みに関して、多くの視察を受け入れています。町内の学校応援のため、引き続き、返礼品はありませんが、美咲町の方からもご寄附いただける「ふるさとの学校等応援寄附金」の募集も行っていますので、ご協力をよろしくお願いします。
(官民共創)
次に、官民共創についてです。
今年2月に協定を締結した天満屋グループとの連携事業の一環として、北和気地区で県の事業である「地域と企業の協働による生活機能確保モデル構築事業」に取り組んでいます。
県から天満屋が受託し、町と北和気コミュニティ推進協議会も連携しながら官民一体となって、地域が抱える買い物に関する課題解決に取り組む事業です。
現在、北和気コミュニティ推進協議会や民生委員の皆様にご協力いただき、課題把握のためのアンケート調査を北和気地区で実施しており、課題解決のビジネスモデルの構築に向けた検討を行う予定です。
高齢化に伴う移動手段の確保や買い物環境の整備については、中山間地域の抱える大きな課題の一つであり、課題解決の糸口につながればと期待しています。
(北和気郵便局)
マイナンバーカード取得後、約5年後に電子証明書が失効するため、役場や支所に来庁し更新手続きをする必要があります。今後、この更新手続き対象者が増加します。今回、手続き可能な窓口を増やし町民の利便性を高めるため、県下に先がけ北和気郵便局に電子証明書更新等の業務を委託することとしました。
北和気郵便局での電子証明書更新手続きは、12月から開始する予定です。更新を迎える皆様には更新案内の通知が届きますので、どうぞご利用ください。
(地域福祉計画等の策定)
今年度は令和7年度から5年間の次期地域福祉計画を策定する年にあたり、同様に美咲町社会福祉協議会も新しい地域福祉活動計画をつくる年度となっています。この計画策定にあたり住民のみなさんのご意見をうかがおうと、先月17日には打穴地区、19日には倭文西地区、28日に飯岡地区で社会福祉協議会と住民座談会を開催し、私も参加しました。
さらに10地域で開催する予定にしており、併せて町の第4次振興計画づくりの参考にしたいと考えています。
困りごととしては、草刈り・耕作放棄地の増加、鳥獣害対策、空き家、少子高齢化などが取り上げられ、皆さん熱心に議論されていました。
職員とともにこの座談会に積極的に参加し、町民皆さんの声をうかがってまいります。
こうした皆様のご意見を参考に、また、重層的支援体制も盛り込みながら新たな地域福祉計画を策定してまいります。
(重層的支援推進本部)
次に、重層的支援推進本部設置についてです。
重層的支援推進体制とは、地域共生社会を実現するための新たな取り組みの一つで、既存の相談支援や地域づくり支援を生かし、子ども・障がい・高齢・生活困窮といった分野別の支援体制では対応しきれない地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応するため、包括的な支援体制を構築するもので、「属性を問わない相談支援」、「参加支援」、「地域づくりに向けた支援」を一体的に実施します。
町は令和7年度から重層的支援体制整備事業に取り組むこととしており、社会福祉協議会と連携し、役場も全庁的に取り組む体制を整えるため、9月に私を本部長とする重層的支援推進本部を立ち上げました。
それぞれ所属が自分ごととしてとらえ、地域共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。
(みさきネット告知放送サービスについて)
8月19日に美咲署で、「みさきネット告知放送サービス利用に関する協定調印式」を行いました。
最近は全国的に特殊詐欺の被害が増加しており、地域の方による見守り活動も行われていますが手口も巧妙化しているため、町内でも被害が発生しています。
そういった詐欺による被害を一件でも減らすためには、警察との連携のもと普及・啓発活動をしっかり行っていくことが重要であり、一層の被害防止に努めることとしました。緊急の特殊詐欺事案が発生した際には、ページング放送を活用して、美咲署からリアルタイムに住民の方へ周知するとともに町も公式ラインやホームページでお知らせします。
不審な電話などは、すぐに対応せず身近な人や警察、役場などにご相談ください。
(新型コロナウイルスワクチン接種)
次に、新型コロナウイルスワクチン接種についてです。
新型コロナウイルス感染症の位置づけが、昨年5月に「5類感染症」に移行し、感染防止対策については各自の判断に委ねられました。
現在、感染状況は小康状態にあるものの、例年冬場には多くの感染者が発生しており、今後寒くなるにつれて感染者も増加傾向に転じることが十分予想されます。
ワクチン接種の全額公費による無料接種は、令和5年度で終了し、今年度以降は季節性インフルエンザワクチンと同じ扱いの個人による予防に重点をおいた定期接種として実施します。
65歳以上の方と60~64歳で、一定基準の疾患を有する方を対象に、毎年、秋から冬に1回、その年のウイルス株に対応するワクチン接種に対し町では補助を行います。ワクチン接種には15,000円程度必要ですが、対象の方は2,500円のご負担で、県内医療機関において接種していただくことができます。
今年度のワクチン接種期間は10月1日から2月28日までです。
準備が整った医療機関から、順次、予約を開始されますので、希望される方は直接、かかりつけ医等の医療機関にご相談ください。
定期接種の対象でない方や定期接種の実施期間外に接種を希望される方は、「任意接種」として全額自費で接種することができます。
今後も、感染予防と重症化予防のため、積極的なワクチン接種をお願いするとともに、町民の皆さまの生命と健康を守るため、感染症対策に努めてまいります。
(美作岡山道路とその関連事業)
次に、美作岡山道路とその関連事業についてです。
県が事業主体の美作岡山道路については、約5割程度の用地買収が完了していると聞いており、ご協力いだいた皆様には、厚くお礼申し上げます。
今後は、立退きでご協力をいただく方との交渉を進めていくとのことで、町としても引き続き移転に関する相談、様々な手続きについてのサポートなどに取り組んでまいります。
美作岡山道路建設に伴う内水対策につきましては、これまで飯岡地区の自治会長をはじめ、岡山県も含めた6者会議を定期的に開催し、協議を重ねてきました。
現在、遊水地とポンプの併用という内容で協議いただき、おおむねの方向性が定まったことから9月3日、内水対策や水路改修について地区の皆様へ説明会を行いました。
また、この美作岡山道関連事業として、町は滝谷池の廃止に伴う滝谷川の改修や、飯岡地区の水路改修工事に取り組んでいます。
滝谷川の改修については、地元の皆さんへの説明会を開催し了承が得られたことから、現在詳細設計を行い、入札の準備をしています。
これらの事業は、飯岡地区の防災・減災に直結する重要な案件と認識しており、早期発注に向け関係部署連携のもと、全力で取り組んでまいります。
(グルメスタンプラリー)
地域活性化の一環として美咲町公式ラインを活用してグルメスタンプラリーを開催します。これは、ご登録いただいた町内の飲食店を巡り、5つスタンプを集めると応募できるスタンプラリーです。先着50名様には久米郡商工会商品券1000円分を贈呈し、応募者の中から抽選で8名の方に美咲町特産品等が当たります。応募期間は11月1日から1月31日までとなっています。美咲町のおいしいグルメを堪能し、スタンプを集めてみてはいかがでしょうか、皆さんのご応募をお待ちしています。
(農林関係補正予算:新築木造住宅普及促進事業及び園芸作物支援事業)
次に、農林関係で今定例会の補正予算に計上している補助事業についてです。
まず「新築木造住宅普及促進事業補助金」についてです。県内の新築木造住宅着工件数は令和4年度と5年度を比較して25%減少、町内でも70%近く減少しており、資材価格の高騰による建設コストの高止まり、景気の不透明感の継続などが原因といわれています。
若い世代への定住対策を含め、現在の一戸あたりの補助金額25万円を55万円に増額します。
町内の建築業者が施工または町内の製材業者及び納材業者から納品された木材を使用して住宅を建設する場合は、さらに一戸あたり25万円を加算し最大で80万円の補助を行います。 県内でもトップクラスの支援となり、県の支援を合わせれば最大112万円になり、県産材の需要拡大と定住人口の増加を期待しています。
次に「園芸作物支援事業補助金」についてです。令和6年度の営農計画書と申請書を提出し、5アール以上の作付面積の転作とその出荷を行う方を対象に、経営所得安定対策として産地交付金を補助してきましたが、令和6年4月1日付けで国の要綱が一部改正され、撤去が困難な園芸施設が設置されている農地は、交付対象外とされました。今年度に限り町単独事業として対応してまいります。詳しくは産業観光課へお問い合わせください。
(みさき秋まつり)
次に、11月10日の日曜日、各種団体でつくる実行委員会が柵原学園で初めて開催する「みさき秋まつり」について報告します。
6月から現在まで、イベント部会など5回の部会を開催しています。ステージイベントでは、保育園児や柵原学園生徒、美作大学生の催しが計画され、出店申込には、柵原地域のコミュニティ協議会など、約50店舗の応募がありました。10月のみさき秋まつり実行委員会でイベント内容が決定する予定です。企画、運営が町民主体のイベントとなり、お子さんが楽しめるイベントも多数用意されていますので、ぜひ「みさき秋まつり」を楽しみにしてください。
(森の芸術祭)
次に、9月28日から11月24日までの約2ヶ月間、県北12市町村で開催される「森の芸術祭 晴れの国・岡山」についてです。世界12カ国42組43人のアーティストが5市町で作品を展示するイベントで、県北のにぎわいが期待されています。
また、美咲町出身のパティシエ・鈴鹿成年さんが開発しレシピ化した特製パフェが期間中県内の3カ所(ホテルグランヴィア岡山・作東バレンタインホテル・ヒルズハウス津山)で販売される予定です。
本町ではアーティストの展示はありませんが、町内の各種12団体でつくる「美咲森芸2024実行委員会」が期間中、「たまごまつり」や「やなはら文化祭」との連携イベント、「昔話アマンジャク舞台公演」「竹内流古武道史跡巡り」をはじめ、町内各地でワークショップを開催します。
このイベントは美咲町を売り込む絶好の機会です。美咲町の知名度アップと誘客促進に努めてまいります。皆さんもぜひおもてなしの心で誘客促進にご協力いただくとともに、森の芸術祭を通じて文化・芸術にふれてください。
(行楽の秋の話題)
次は、行楽の秋の話題です。
10月20日には、亀甲駅前、亀甲商店街周辺でたまご祭りが開催されます。当日は会場がたまごにちなんで黄色に彩られ、にぎわいと交流の輪が広がることを期待しています。
同じく10月26日には北和気体育館でハロウィンイベントが開催されます。夕方には、多くのランタンに火が灯され、幻想的な雰囲気を醸し出してくれることでしょう。ハロウィン仮装と記念撮影も楽しめますので、皆さん足を運んでみてください。
11月10日は、みさき秋まつりだけでなく、まきばの館では倭文西まちづくり協議会が「どんとこい収穫祭」を開催し、中央運動公園では加美まちづくり協議会が「加美ふれあいまつり」を実施します。いずれも地域が創意工夫を凝らした企画となっていますので、それぞれ特色のある3つのイベントをお楽しみください。
その他、森の芸術祭をはじめ各地域でも文化祭が予定されていますので、文化イベントへも足をお運びください。
(終わりに)
今年の夏は記録的な猛暑となり、10月になっても30度を超える日が続いていましたが、やっと秋らしい季節になりました。
稲刈りはほぼ終えられたようですが、都市部ではコメ不足で、店頭に並んでも売り切れる状態です。今年は農協が農家から買い取るコメの値段が概算で2万円となっている品種もあり、農家にとっては久々に明るいニュースです。来年度以降も農家の方が意欲をもって米作りができるよう、国にはしっかり対応していただきたいと思います。コメ不足になることもなく、おいしい新米が食べられる美咲の良さをあらためて感じています。
過ごしやすい季節となりましたが、一日の中で寒暖の差が激しくなっています。どうぞご自愛いただき、美咲の秋を元気で過ごされますよう、お祈りしています。
以上、諸般の御報告とさせていただきます。ありがとうございました。