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町政報告(令和4年4月)

印刷用ページを表示する 更新日:2022年4月28日更新

(はじめに)
 新緑の良い季節になりました。令和4年度がスタートしましたので、美咲町政の今後の方針や取り組みについてご報告いたします。

(合併20周年に向けて)
 美咲町が誕生してからこの春17年になり、あと3年で20周年を迎えます。令和3年度は、旭地域の義務教育学校の校名が「旭学園」に決定し、柵原地域の義務教育学校は造成工事の準備が整うなど、新たなまちの骨格づくりが動き出しました。令和4年度は、さらに加速すべくプロジェクトを推進してまいります。

(多世代交流拠点施設整備)
 3大プロジェクトの1つである、役場新庁舎を含む美咲町多世代交流拠点施設整備については、新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大、円安、物価高により、「ウッドショック」や「アイアンショック」と呼ばれる木材や鋼材価格が高騰し続けています。この影響により、昨年末に予定していた請負事業者の選定に遅れが生じています。今般、公募要項の一部見直しを行い、2月14日から再度、請負事業者を募集しており、早期の請負事業者の選定を目指しています。
世代を超えて多くの町民が集うことによるにぎわい創出や、地域活性化につながる施設を目指してまいります。
この事業につきましては、町民各分野の代表者や専門的な立場の方で構成された「美咲みらいデザイン検討委員会」で様々な角度から協議していただいております。

(義務教育学校整備関係)
 義務教育学校のうち、旭学園の施設整備については、令和5年春の開校に向けて、校舎増築、改修工事の実施設計が大詰めを迎えています。
併せて、校章、校歌の決定、制服などの方針について、開校準備委員会を中心に準備が進められています。
令和6年春に開校予定の、柵原地域の義務教育学校整備については、山林の伐採や仮設調整池整備など、造成工事に向けた準備が完了し、先日2月17日に安全祈願祭が執り行われました。現在は山林部分を削り、敷地の埋め立て工事が行われています。
 昨年11月から12月にかけて行いました校名募集には380件のご応募をいただきました。開校準備委員会で校名候補の選定が行われ、1月の町教育委員会定例会、3月議会での議決を経て、校名が「美咲町立柵原学園」に決定しました。

(小規模多機能自治)
 次は、小規模多機能自治についてです。現在、小規模多機能自治の移行に向けて取り組んでいる地域の様子をお知らせします。
まず、倭文西地域ですが、13地域のまちづくり協議会の中で一番に住民アンケートに取り組み、地域課題の掘り起こしから、課題共有会を重ねていき、地域づくりの羅針盤である「地域みらい計画書」の完成まであと一歩まで来ています。
 次に、打穴地域や大垪和地域、また江与味地域では、住民アンケートを実施し、その結果をもとに、地域課題やこれからの地域づくりについて、多くの地域住民で話し合いを始めようとされています。
 また、北和気地域では、小規模多機能自治を目指す 「まちづくり会議」を設置し、その中から、男女を問わず、若者から年配者まで、多世代の委員による「アンケート委員会」を設立し、現在、地域住民全員アンケートの集計が行われています。
 加美地域、柵原本庁地域でも、それぞれの地域にあった小規模多機能自治に向けて、勉強会を重ねており、地域づくりの機運を高めているところです。各地域のアンケート調査票は、各地域の住民が集まって、それぞれの地域の課題を洗い出すために、地域住民が検討に検討を重ねた、その地域独自のものです。
 引き続き、残りの地域についても、皆さんと一緒に小規模多機能自治による地域づくりに向けて対話を進めてまいります。

(行財政改革)
 次に、行財政改革についてです。美咲町行財政改革大綱「美咲町経営マネジメント指針」が策定されて間もなく1年になります。町民や専門分野の有識者で構成される行財政改革審議会を5回開催していただき、ご意見をいただいております。令和2年の国勢調査の結果では、美咲町の人口減少率は残念ながら県内ワーストでした。少子化対策、移住・定住促進など、人口減少対策は行ってまいりますが、今後大きな人口増は見込めない状況です。
 このような状況を踏まえ、町は「賢く収縮するまちづくり」を掲げ、予算規模や公共施設が縮小しても町民のみなさまに幸せを感じてもらえる改革を行ってまいります。4月6日に町行財政改革審議会から行革実施計画の取り組みと進ちょく状況について意見書、また審議会の中に設けられた部会から公共施設のあり方について提言書をいただきました。美咲町の1人あたりの建築系公共施設の保有面積は全国平均の2倍以上になっており、現在5億円程度の維持管理更新費がこのままいけばやがて10億円になり、まちの財政を圧迫することが予想されます。
 提言書では、施設の集約、再編、売却、撤去などについてご意見をいただきました。
 行財政改革は、ときには痛みを伴い、皆様から理解を得ることが難しいこともあるかもしれませんが、この町が今後生き残っていくためには必要不可欠なプロセスです。困難はあろうとも、町民、議会のみなさまとともに、あり方を考えていきたいと思います。

(デジタル活用・自治体DX)
 昨年、岸田総理の所信表明演説で、「デジタル田園都市国家構想」について述べられました。これは、地域の「暮らしや社会」などをデジタル基盤の力で変革し、「大都心の利便性」と「地域の豊かさ」を融合した「デジタル田園都市」を構築しようとするものです。
こうした総理の構想に拠るまでもなく、超高齢化とそれによる人口減少が進む本町では、デジタルの活用は「ひと 輝くまち みさき」「人口減少・少子高齢化がさらに進んでも、住民(みんな)が笑顔で、住み慣れた地域の中で安全・安心に暮らせる町」を創っていくためには不可欠だと思っております。
 特に、デジタルを活用した役場業務の見直し、いわゆる「自治体DX」の取組みは、現在、若手職員たちの提案による「子育て支援アプリ」の開発や縦割りを排した「おくやみ業務」の改善などの取組みを始めていますが、「住民の利便性の向上」、「行財政改革」にも直結する課題ですので、さらに、すべての業務で進めてまいりたいと考えています。
 その一環として、押印の廃止を行います。町民の利便性の向上と負担軽減を図るとともに、行政組織内のDXを推進してまいります。
こうしたデジタルを活用した業務改革の基盤となるのは、マイナンバーカードの普及とそれに基づく個人認証です。ぜひマイナンバーカードの取得促進にご協力ください。

(防災)
 防災については、最近日本近海を震源地とする地震が頻発しており、またトンガ王国で発生した海底火山の大規模噴火による津波被害など、災害はいつ発生するか分かりません。
 5月に岡山県の主催で飯岡の吉井川河川敷で岡山県水害対応訓練が行われる予定です。現段階で訓練の詳細は未定ですが、地元自主防災組織の参加も検討されています。
新たなハザードマップも全戸に配布します。美咲町としての防災訓練も9月に実施する予定です。令和3年度は、防災に関する協定として県社会福祉協議会と災害派遣福祉チーム(D-WAT)との短期入居施設使用に関する協定を結び、災害時にD-WATが迅速に対応できるようになりました。
 また、三菱自動車とは、電動自動車両等の支援協定を結び、災害時の電力供給不足に協力が得られることとなりました。
 その他にも町社会福祉協議会と災害ボランティアセンターを設置・運営してもらうための協定を結びました。引き続き、平時からの備えを進めてまいります。

(鳥獣害対策)
 次に、鳥獣害対策について、現在美咲町で補助事業を活用して設置した防護柵の総延長は約
231㌔㍍になります。これは美咲町を1周半囲むことのできる距離になっております。
しかしながら依然として鳥獣による農作物の被害は深刻な状況が続いています。ハード面のみでは対策に限界があり、鳥獣害対策の専門家・井上(いのうえ)雅(まさ)央(てる)さんを講師として、小原、江与味、周佐地域で鳥獣害対策の講習会を実施していただきました。
 3月には美咲町のみなさんが井上さんの地元である島根県美郷町を訪ねて指導を受けており、鳥獣対策が町内各地に広がることを期待しています。井上さんには令和4年度も引き続き講師をお願いしており、広報みさきにもコラムを掲載していただきますので、ぜひご覧ください。

(林業施策)
 林業振興施策につきましては、令和3年度から新築木造住宅の補助制度について、県産材の一層の消費拡大を狙い今までの県産材利用の要件に加え、町内の工務店や製材所を利用した場合には、補助額の2倍の50万円とするように制度を拡充しています。新築住宅をお考えの方は、制度の利用を検討いただきますようお願いいたします。
 また、現在1市3町で行っている津山圏域定住自立圏の林業経営管理事業に令和4年度から参画して、令和4年度、5年度の2ヵ年で森林資源解析GISを導入し、今後の森林経営管理の推進に役立ててまいります。

(企業誘致)
 企業誘致に向けて、美咲町地域経済牽引事業の促進のための固定資産税の課税免除に関する条例を制定しました。この条例により、誘致企業が税制面での優遇を受けることができ、企業誘致の推進が図られることを期待しています。また、企業誘致の適地調査についても実施していきたいと考えています。

(美咲DMO)
 次は地域づくり法人としての「美咲DMO」です。事業を展開していく核となる地域おこし協力隊のコーディネーター1人が決まり、亀甲商店街の「旧榎本屋」を改装したまちづくり拠点で活動をスタートさせています。
 令和4年度は、残りの2人のコーディネーター決定を急ぐとともに、地域課題解決を通じてまちを元気にしていくことに取り組むローカルベンチャー、いわゆる起業家を10人募集します。今年2月、新たに「つなぐ棚田遺産」に認定された大垪和西・小山の棚田をはじめとする美咲町にある様々な地域資源を活かすとともに、高齢者福祉や空き家対策、農林業振興など様々な分野で地域課題に取組み、みんなが元気で活気あるまち、地域経済が活性化し、その経済効果が町内全体に波及するような持続可能なまちを創ることを目指してまいります。
 この計画は国にも認められ、まちづくり拠点の運営費などは3年間全額国の地方創生推進交付金が充てられることになっています。 

 【生涯学習人材バンクの設置】
人生100年時代を迎え、4月から「生涯学習講座」をスタートさせました。「リフレッシュ!健康づくり・運動」「くらしに役立つ情報~生活の知恵」「心豊かに身につく教養講座」「集まれキッズ!子ども対象講座」「ものづくり講座~気軽にハンドメイド」「郷土文化を知ろう~もっと地元を好きになる」「心もいっぱい??栄養講座」など、子どもから高齢者まで学んでいただける80もの講座を用意しています。ぜひ、ご参加ください。

(生涯学習人材バンク制度の開設)
職業や芸術・スポーツ・趣味など、さまざまな知識や技能・技術・特技を持った方々を紹介するために生涯学習人材バンク制度を開設しました。
「何かを習いたい人」「何かを教えてあげられる人」との相互学習の橋渡しをする新たな仕組みとしての生涯学習人材バンクです。
多くの町民の皆さまのご活用をお願いします。

【美咲町生涯スポーツ推進計画の策定】

 生涯スポーツを推進するため、美咲町では初めての「美咲町生涯スポーツ推進計画」を策定しました。策定に向けて住民のみなさまに行ったアンケートによると、「週1日以上の運動・スポーツの実施頻度」は、32.0%の人が「一年間、全く運動・スポーツをしていない」と回答しています。
一方、「週に一回以上、運動・スポーツをしている」と回答した人は運動を全くしていない人の割合とほぼ同じ35.4%となっています。男女とも年齢が高くなるほど運動・スポーツの実施頻度が低く、運動・スポーツをする人と、しない人との二極化の傾向が伺えました。運動・スポーツ実施率が低い年代へのさらなる啓発ときっかけづくりが重要であると考えており、運動・スポーツだけでなく、健康や体力づくりの観点から身体を動かすきっかけづくりにつながる施策を展開してまいります。

(令和4年度当初予算について)
 町の令和4年度当初予算について説明します。
 新型コロナウイルス感染症による影響などから大幅な税収回復の兆しはなく、自主財源の増加は見込めない状況にあります。
 一方で、柵原・旭義務教育学校の建設、新庁舎を含む多世代交流拠点整備事業など、一時的に多額の費用が必要となります。持続可能な財政構造の確立のため、一般財源を圧縮できるよう要求上限を設け、財政健全化に取り組んでいます。
 「町第三次振興計画」に掲げている「人口減少・歳入縮小時代を見すえた新しいまちづくり」へ転換を図り、持続可能なまちづくりを協働で進めていくために、「賢く収縮するまちづくり」を目指し、質の高い行政サービスを実現する予算編成としました。予算規模は、一般会計が前年度に比べて約5億円増の120億2,747万円余となっています。予算の中には、危険性が高くなり昨年から使用を中止しております中央運動公園の大型遊具、ローラー滑り台の撤去と、新たな遊具の整備費用を計上しています。このような、予算の内容がわかりやすく町民に伝わるよう、「まちの予算を知ってもらおう」という町民向けの予算資料を作製しました。
 これも地域課題解決プロジェクトの若手職員による提案から形になったものです。町民の方々には、税金の使われ方に関心を持ってもらい、よりよい施策の提言につながればと期待しています。町のホームページなどで公表していますのでぜひご覧ください。

【男女(とも)に輝く幸せな美咲(まち)づくり)】
 今、美咲町は想定以上のスピードで人口減少が進んでいます。その要因の1つは少子化で、美咲町で令和2年に生まれた子供は64人でした。
「男女(とも)に輝く幸せな美咲(まち)づくりプラン(第4次美咲町男女共同参画基本計画)」を策定するにあたり、美咲町男女共同参画まちづくり審議会で、「なぜ美咲町で少子化が進んでいるのか」を考え、生活の原点である家庭を築く最初の1歩、「結婚」が減っているのはなぜか?を皆さんの家庭の現状から分析するため、「家事アンケート調査」を実施しました。
 その結果、家事の負担が家族の誰か(特に女性)に偏っている傾向があることが分かったため、家族みんなで「家事シェア」をし、家庭での「家事をする」という経験の積み重ねをとおして、一人ひとりの意識を変えることで、これからの地域を、まちを変えていきたいという思いから、「男女(とも)に輝く幸せな美咲(まち)づくりプラン(第4次美咲町男女共同参画基本計画)」をつくりました。計画は令和4年度から令和8年度までの5年間とし、生活の原点である「家庭」から、意識を変えるきっかけづくりを行うことで、家族の心と心をつなぎ、思いを伝え合う「ありがとう」を増やすことが「男女(とも)に輝く幸せな美咲(まち)」につながる…という思いが込められています。
 アンケート調査・パブリックコメントに御協力いただいた皆さま大変ありがとうございました。

(桃太郎サミットin美咲)
 10月29、30の両日、美咲町で「桃太郎サミットin美咲」が開かれます。桃太郎伝説が残る全国の地域が持ち回りで開いており、美咲町では初めてです。
美咲町は全国に残る伝説のうち最も古い昭和3年発刊の三保村誌に桃太郎伝説のことが書かれており、打穴中、打穴下地区には桃太郎にまつわる多くの地名が残っています。
 サミットのプレイベントとして5月7日にイヌ、キジ、サルとゆかりの地と大垪和西の棚田をバスでめぐる「アニマルミステリーツアー」を開催するほか、順次、三休公園での桃太郎とのウオーキング、桃太郎の百々人形づくりワークショップが予定されています。
こうしたイベントの参加者に併せ、サミットの実行委員会のメンバーも募集しており、問い合わせや申し込みは町生涯学習課にお願いします。 

(まきばの館の大規模改修) 
 美咲町北地区の「まきばの館」については、オープンから30年がたち、老朽化した施設の改修とさらなる魅力アップを県にお願いしていたところ、デイキャンプ場やミニグラウンドゴルフ場の新設に続き、令和4年度は施設の改修やバリアフリー、Wi-Fi整備などを実施していただくことになりました。 オープン以来初めて、約3億9000万円をかけての大規模改修になります。

(終わりに) 
 この春の柵原西小卒業生が総合学習で柵原地域の歴史や魅力を学んだ中で、月の輪古墳やブドウと黄ニラを取り入れた「ツキノワ古グマ」というキャラクターを考え、募金活動をしてPRのためのポスター、動画をつくり、柵原地域の情報発信をしてくれました。募金や動画の作製で多くの町民や地元企業のみなさんが協力されました。
 同じく今春旭中を卒業した子どもたちは「あさひの未来を創造しよう」というテーマで住民と語り合うグループワークを開催し、地域おこしのアイデアや人口減少対策を提案してくれました。このように住民のみなさんとの「共創」、ともにつくるという意味ですが、まちづくりの共創を一層進め、住民や民間企業などの多様な力を生かして相乗効果が発揮できるまちにしていきたいと考えています。
 みなさんにおかれましてもどうぞご自愛いただき、令和4年度も元気で過ごされますことをお祈りしています。


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