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町政報告(令和3年9月)

印刷用ページを表示する 更新日:2021年9月24日更新

令和3年9月定例会 町政報告(TV)

(はじめに)
皆様、こんにちは。
美咲町議会9月定例会が17日に閉会いたしましたので、美咲町政についてご報告申し上げます。

(新型コロナウイルス感染症)
新型コロナウイルス感染症は、デルタ株の猛威で感染者数が高止まりしており、8月27日から9月12日の期間、岡山県に3回目の「緊急事態宣言」が発令され、13日から30日まで美咲町が、「まん延防止等重点措置」区域になりました。このまま増加すれば医療が逼迫(ひっぱく)し、必要な医療を受けることが出来なくなるおそれがあります。デルタ株は感染力が非常に強く、一人が感染すると、家族全員へ感染を広げます。今が感染拡大を食い止める正念場です。ワクチン接種後も、マスク着用や手洗いを徹底するなど、感染拡大を食い止めるため、改めて町民の皆様に基本的な感染予防対策をお願いします。
 町が6月から8月に実施した集団接種では、65歳以上の方を対象に3会場8日間で1,239人、18歳以上を対象に中央中学校で8日間実施し、2,454人に接種しました。
12歳以上でワクチンを2回接種された方は75%近くになりました。未接種の方で今後接種を希望される方は、医療機関での個別接種をお願いします。
たび重なる緊急事態宣言の発令により、やや危機感が薄れていることが懸念されます。今一度、ご自身と大切な人の命を守るための行動をお願いしたいと存じます。

(全国学力テスト)
全国学力・学習状況調査について報告します。ここ数年間、美咲町の結果は上昇傾向にあり、今年度の小学校6年生は、国語で県内市町村でトップになりました。課題だった算数も2番になり、過去最高のよい結果でした。また、中学校3年生も全国平均にあと一歩に近づきました。課題だった数学も改善されてきています。私が特にうれしいと感じたのは、小学6年生、中学3年生ともに「将来の夢や目標を持っている」というアンケート結果が、全国平均よりもとても高いことです。美咲町の子どもたちが「将来の夢や目標」をもってがんばっている証拠です。
子どもたちが、先行きの見えにくい、コロナ禍の社会で、夢や目標、希望を持って、前向きに生き生きと頑張っていることが町民みんなの願いです。これも、各学校の校長先生方のリーダーシップのもと、各地域で学校教育目標を統一し、同じベクトルで、保護者、地域のみなさん、先生方が子どもたちのために、ご尽力していただいているおかげです。ありがとうございます。


(防災)
 お盆期間を挟んで日本列島に停滞した秋雨前線は、各地に記録的な降雨をもたらしました。
 九州北部の各県、また広島市には2日続けて大雨特別警報が発令されるなど、中には降り始めから1000ミリを超える大雨となり、広範囲に甚大な被害が発生しました。
 美咲町でも累計で200ミリを超える雨量を各観測点で記録し、塚角地内に設置されている吉井川の水位観測点では、避難判断水位を超えたため、8月14日午前8時30分、柵原地域の吉井川沿いの地区に「警戒レベル3」高齢者等避難を発令、また避難所を開設するなど、住民の安全確保に努めました。役場は昨年から「大雨注意報」発令段階から班体制で昼夜を問わず警戒しています。今回も本庁、旭、柵原両総合支所で、24時間体制で対応にあたり、連日出動いただいた消防団とともに警戒してまいりました。消防団、自主防災組織の方にはあらためましてお礼申し上げます。
 幸いなことに人的被害は無く、道路・農地・河川につきましても、大きな被害はありませんでしたが、被害カ所については早期の復旧に努めます。
 台風シーズンはこれからです。今後も気を引き締めて、対応にあたってまいります。

(学校教育施設整備関係)
次に、学校教育施設整備のうち、まず、加美小学校大規模改修事業についてです。
今年5月に管理棟の改修工事を終え、6月には仮設校舎の解体・撤去を含めた総事業費約6億4,000万円のすべての工事が完了しました。去る7月26日、議員各位、地元自治会長ほかのご臨席をいただき、完成記念式典と施設見学会を開催しました。その際、子どもたちが大規模改修について「町のみんながお金をためてたてかえた加美小学校 とてもきれいです」「教室と図書室が近いのでとても便利です。勉強や発表がしやすくなりました」「新しい学校は明るく気分も明るくなりました。楽しく学校生活が送れています」と、町民のみなさんや町に感謝するメッセージを校内にはってくれました。
次に、旭地域の義務教育学校整備について、8月11日まで校名の募集を行い、155件のご応募をいただきました。8月27日に開催された第3回開校準備委員会では、応募のあった中から校名候補の選考が行われ、こののち町の教育委員会定例会に提案されるとお聞きしております。
次に柵原地域の義務教育学校整備について、現在、敷地造成Ⅰ期工事の入札を行い、9月議会で契約の議決をいただきました。都市計画法に基づく開発申請の許可など関連する手続きが完了でき次第、工事に着工できるよう準備を進めています。

(多世代交流拠点施設整備)
原田地区の中央総合体育館前に計画している新庁舎を含む多世代交流拠点施設の整備につきましては、第1回(仮称)美咲町多世代交流拠点整備事業設計・施工業務公募型プロポーザル審査委員会を開催しました。
 この事業は昨年度、住民代表の皆様を中心とした「美咲町みらいデザイン検討委員会」の中で12回にわたってご審議いただき、方向性と基本計画が決まりました。
 さらに住民のみなさんから寄せられた約1000件のご意見も踏まえ、多世代の方の交流とにぎわいが生まれるよう、役場、社会福祉協議会、保健センター、図書館、公民館、物産センターなど多数の機能を集約した複合施設を計画しています。

施設のコンセプトは、利用者の利便性を最優先とし、「シンプル(簡素)で、コンパクト(こじんまり)、みらいの変化に「フレキシブル(柔軟)」に対応することができ、そして、「ライフサイクルコスト(建設から解体撤去までの全体の費用)が抑えられる」としています。全国の自治体の庁舎が、建て替え後、豪華で大きくなっている中で、真逆(正反対)の方向を目指しています。みらいに、次の世代に、負担を残さないためです。
事業の発注は、設計と施工を一括して発注するデザインビルド方式を採用します。県内でも珍しく、県北では初めてとなります。整備にかかる事業費の縮減と工事期間の短縮、民間企業のノウハウを可能な限り活かすためです。

事業者の選定にあっての審査委員会の委員は初めて、住民代表の方に参加していただきます。
これまで町の事業のプロポーザル審査委員会は専門職の方や役場職員を中心としていましたが、施設の利便性に配慮するためには、何よりも住民のみなさまの視点が重要です。  
半世紀に一度、また町全体の拠点にふさわしいエリアの整備ということで、事業の計画から完了まで、住民代表のみなさまにかかわっていただきたいと考えています。


(小規模多機能自治)
小規模多機能自治を進めていくにあたり、「地域が主役のまちづくり」、「課題を自ら克服していくための仕組みづくり」を訴えてまいりました。そうした中で、倭文西地域では自らアンケートを実施し、見えてきた地域の課題を倭文西全体で共有し、課題解決に向けた4つの専門部会による話し合いを重ね、空き家対策など出来るところから活動を始めています。
また、先行地の倭文西に触発される形で、大垪和地域、打穴地域でも、それぞれの地域にあったアンケートを実施するため、毎月集まってアンケート内容を検討するなど、小規模多機能自治による地域づくりに向け、一歩一歩、地域が一つになって来ております。さらに、加美地域、北和気地域では地域づくりの勉強会を重ね、その地域にあった小規模多機能自治による地域づくりの話し合いが始まっています。
一足飛びというわけにはいきませんが、確実に地域住民の小規模多機能自治による地域づくりへの機運は高まって来ております。引き続き、ご支援をお願いいたします。

(企業誘致)
 次に新たな企業誘致についてのご報告です。町は遊休地の活用策として企業誘致にも取り組んでおります。令和3年3月には柵原地域塚角地内の塚角グラウンドを「モモハウス株式会社」に売却しました。それに続き、柵原地域百々地内の北部グラウンドを熊本に本社のある「高原木材 株式会社」へ分譲し、去る8月23日、代表取締役社長石松勇志(いしまつゆうじ)氏と協定調印式を行いました。町の条例に基づく初めての企業誘致になります。今後も遊休地の活用について関係各課で情報交換を行い、推進してまいります。

(DMO)
 次にDMOの進捗状況についてですが、7月4日にワークショップを開催し、町内の20人近くの方に参加していただき、町の課題、こんなまちになればいいな、などのテーマで活発な意見交換を行いました。今回伺ったご意見、また昨年度ご尽力いただいたDMO設立検討会で伺った意見を集約し、今後町の課題解決のためのコーディネーターとなる地域おこし協力隊3人を募集しており、来年は棚田の再生や空き家対策、関係人口の拡大といった課題解決のために起業していただく地域おこし協力隊を10人募集する計画です。
 役場本庁舎前の空き店舗をDMOの拠点とする予定です。

(事業者支援給付金)
次に新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上高の減少により公的融資等を借り入れた町内の中小事業者に融資額の合計の10%、上限10万円を支給する事業者支援給付金についてですが、町で把握している件数、72件中、41件の申請があり、給付しています。町で把握できていない事業者もありますので、詳しくは広報みさき7月号をご覧いただき、令和4年2月28日までに申請をお願いいたします。

(鳥獣害対策)
実りの秋を迎えましたが例年この時期、鳥獣害が多く発生しています。令和2年度は、町内でイノシシ1235頭、シカ414頭、ヌートリアは138匹、アナグマ・鳥類が140匹捕獲されました。旭地域では昨年あたりからサルによる被害が目立ってきています。 町としては、狩猟免許の取得や更新、捕獲、ワイヤーメッシュなど防護柵の設置にかかる補助をしています。猟友会駆除班、鳥獣被害対策実施隊の方々には大変お世話になっていますが、なかなか抜本的な解決につながっておらず、苦慮しているところです。
 こうした中、3月に著名な鳥獣害対策の専門家である井上雅央さんを島根県から招き講演会を実施したところ大変好評で、8月から小原、周佐、江与味地区で農家や住民のみなさんとともに「イノシシやシカ、サルを寄せつけない効果的な防護対策」に取り組んでいただいています。
 この模様は10月22日午後7時半から、NHKの「ラウンドちゅうごく」という番組で中国地方全域に放送されるほか、みさきタウンテレビでも放送していますので、ぜひ鳥獣害に強い地域づくりに取り組んでいただけたらと思います。

(町内イベント)
 次に各種イベント関係ですが、今年度も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、春の旭地域での「さくらまつり」、夏の中央地域での「ふるさと夏まつり」、秋の柵原地域での「産業祭、ぽっぽまつり」の中止が決定されました。このうち、柵原地域での「産業祭、ぽっぽまつり」については、これまでイベントのマンネリ化や駐車場不足などが指摘されておりましたが、実行委員会の了承を得て、柵原地域でワーキンググループを立ち上げ、開催意義、開催場所、時期などについてゼロベースで見直しを行い、来年度以降の「産業祭」について考えていきたいと思っています。

(情報発信)
次に美咲町の情報発信についてですが、3つご紹介させていただきます。
1つ目は、7月10日の朝日新聞全国版別冊be(ビー)の1面に美咲町のたまごかけご飯について特集が掲載されました。これは、こちらから情報提供したのではなく、朝日新聞の記者自身が、たまごかけごはんのルーツをたどって美咲町に取材にきて実現した記事だと聞いております。記事については、役場本庁舎入口に掲載しておりますのでご覧ください。
2つ目は、山陽新聞旅行社が倉敷、岡山発着の企画で、「美咲町で黄福探しの旅」と題して、食堂かめっち。で朝食をとり、大垪和西の棚田をめぐり、まきばの館で散策と昼食を、その後北和気郷土資料館で百々人形造りを体験し、柵原ふれあい鉱山公園を見学する、まさに美咲町全域をめぐるツアーをこの秋から年末の土日に企画されています。コロナの状況をみながら実施されると思います。
3つ目は、中国電力と三菱自動車、RSK山陽放送とのコラボ企画でSTU48とRSKアナウンサーが亀甲駅、物産センター、食堂かめっち。まきばの館を紹介する撮影が行われ、9月7日と14日に放送になりました。15日から撮影動画がフルバージョンでRSKアプリで配信されています。
昨年は世界中に飛ぶ全日空の機内誌「翼の王国」で14㌻にわたって美咲町のたまごかけご飯が特集されました。引き続き、こうしてマスメディアに美咲町が注目されるのはありがたいことです。

(予算編成)
 9月議会では令和2年度美咲町歳入歳出決算について認定をいただきました。監査委員などのご意見を踏まえ、令和4年度当初予算の編成作業を進めていきます。
 今後の人口減少に伴う税収の減少、高齢化に伴う社会保障費の増加、また3大プロジェクト実施による将来的な借金返済の増加など、町の財政は今後厳しさを増すことが予想されます。
 一方で第三次振興計画に掲げてある基本目標を達成するため、予算の選択と集中を行うことも必要です。
 町の財源を縮減しつつも、必要なところには予算が配分できるよう、既存予算の見直しを行ってまいります。

(終わりに)
 「地域が元気だ」「力がある」というのは、単に、人口の数が多かったり、人口密度が高かったり、若い世代の比率が高かったりするからではなく、人「交」密度、つまり人の交わりの密度が高いこと、まちづくりにかかわる活動人口が増えることが大切だといわれています。人口減が進む中で、ささえあう仕組みをつくり、福祉や経済、生活支援へと地域の役割や機能を進化させていくことが必要です。
 コロナ禍のこのようなときだからこそ、「心をひとつに、力を合わせて」がんばってまいりましょう。
以上、諸般の御報告とさせていただきます。ありがとうございました。


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