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青野町長 所信表明演説(令和3年3月定例会)

印刷用ページを表示する 更新日:2021年3月10日更新

 令和3年3月定例会 青野町長所信表明(令和3年3月1日)

(はじめに)

 本日ここに、令和3年美咲町議会3月定例会を招集いたしましたところ、議員各位には公私御多用の中、全員の御出席をいただき、感謝申し上げます。

 本定例会の開会に当たり、私の政治姿勢及び今後の町政運営について、その方針を申し述べ、議員各位をはじめ、町民の皆様の御理解と御協力を賜りたく存じます。

 

(合併20周年に向けて)

 美咲町が誕生してから、もうすぐ16年が経過し、あと4年で20周年を迎えます。私は、令和3年度は、美咲町20周年に向けて、まちづくりの新たな骨格を作り始める年だと認識しています。

 平成17年当時は想像もできなかったペースで少子高齢化、過疎化、人口減少が進んでおり、本町の存立の基盤を揺るがしかねない事態となっています。この危機に立ち向かっていくためには、町が進むべき方向性を定め、計画的にまちづくりを進めていく必要があります。

 

(大規模プロジェクト)

 まず、3地域の大規模プロジェクトについてですが、旭地域における義務教育学校及び総合支所を含めた複合施設、柵原地域の地域づくりの拠点ともなる義務教育学校、そして中央地域の役場本庁舎を含む拠点整備、これについての考えは2月臨時会でも申し上げましたが、重ねて私の決意を申し上げます。

 3地域の大規模プロジェクトは、美咲町の将来を担う子どもたちの世代のために、今の時代においてやっておかなくてはならない、まさに町の命運をかけた事業です。この機を逃すと未来永劫不可能だという思いで、私は「不退転の覚悟」で挑ませていただく所存であります。

 本定例会に関係議案を上程いたしますので、議員各位におかれては適切なご判断を賜りますようお願いいたします。

 

(柵原地域義務教育学校)

 まず、柵原地域の義務教育学校について状況をご報告申し上げます。昨年の7月21日に開校準備委員会を立ち上げ、カリキュラム、施設、学校行事、通学についてなど、開校に向けて必要な事項について、それぞれの専門部会で検討していただいており、令和6年4月の開校に向けて準備を進めています。

 施設については、昨年11月にプロポーザル方式によって設計業者を選定し、現在、設計作業を進めているところです。また、令和3年度は、関係者のご理解とご協力を頂き、書副地内にあります学校建設予定地の造成工事に、いよいよ取り掛かります。また、下流の周佐地区を流れる普通河川稗田川の改修工事も並行して行います。

 学校建設予定地の造成は山を切り開く工事となるため県の開発許可などの申請が必要となりますが、1月から私自ら県庁へ足を運び、県から助言をいただくとともにスムーズな審査をしていただくよう、担当課にお願いしているところであります。

  「地方創生は教育と人づくりから」という強い思いのもと、単に建物だけではなく、柵原地域の活性化につながる学校づくりを進めてまいります。

 

(旭地域義務教育学校)

 旭地域においては、保護者会・PTAの代表者から「旭地域の小中学校存続についての要望書」が提出されたことを受け、少子化・高齢化に歯止めをかけ、地域の活性化を図り、元気で笑顔のあふれるまちづくりをより効果的に進めたいと考え、これまでにも議論いただいていた「旭みらいデザイン検討委員会」の方々との協議を経て、旭中学校に旭小学校を統合して、義務教育学校を開設することを決意いたしました。その後昨年12月16日に総合教育会議を招集してご説明し、さらに教育委員会において賛同の議決を頂いたところです。

 2月26日に開校準備委員会を立ち上げており、令和5年4月開校に向けた準備を進めてまいります。

 

(美咲町多世代交流拠点整備事業)

 役場本庁舎を含めた「(仮称)美咲町多世代交流拠点整備事業」については、本年度末までに、基本構想及び基本計画の策定を行うこととしております。本事業につきましては、町民各分野の代表者や専門的な立場の方で構成された「美咲みらいデザイン検討委員会」において協議され、その内容について、随時、議会全員協議会などで進捗状況や方向性の報告・説明をさせていただいております。

 この度、この町史に残る本庁舎移転という重要事項について、町長として大きな決断をし、議会にお諮りすることとしました。これは2月臨時会でも申し上げたことですが、改めてご報告いたしますので、どうぞお聴き取りください。

 

 皆様ご承知のとおり、庁舎建設は、通常、国からの支援はなく、すべて町の負担となります。そのため、事業の財源としては、合併特例債を充てるしかありません。合併特例債の借入期限である令和6年度末までにすべての事業を完了するためには、令和6年4月の新庁舎開庁を目指して建設を進めることになりますので、残された期間はあと3年間しかありません。

 整備スケジュールは、設計から建設、除却に至る整備計画全体の中で、相当の創意工夫と無駄のない工程監理が必要で、時間的余裕は全くなく、令和3年度当初に予算化を図り、事業に取り掛からなくてはなりません。

 役場本庁舎を含む拠点整備の位置をどこにするかについては、町民の方々が大いに関心を寄せられているところですが、事業費の算定やスケジュールなどの整備計画においても大きな影響があります。事業を進めたくても、まずは位置を決定する必要があります。

 位置については、熟慮に熟慮を重ねました。昨年からのパブリックコメントやアンケートによる住民の方々からのご意見、美咲みらいデザイン検討委員会での検討結果を十分にお聞きし、決断しましたのでご報告いたします。

 「町民の利便性」・「防災拠点と安全性」・「経済性」・「実現性」・「まちづくりの整合性」などの視点を総合的に勘案した結果、役場本庁舎を含む拠点整備の位置を、「中央運動公園付近の町有地」といたします。

 もちろん、複合施設の中身の機能をどうするか、町の賑わいづくり、多世代交流をどのように進めていくかなどについては、まだまだ議論の余地はあります。建物のハコの部分よりも中身、そこで何をするかの方がはるかに重要です。

 今後、美咲みらいデザイン検討委員会、住民説明会やワークショップ等を通じて大いに話し合い、施設の機能が最大限に発揮されるよう検討したいと考えております。

 今回は、令和6年度末までにすべての事業を完了するために、今年度末までに決めておかなければならない最低限のこと、「位置」と「総事業費」について、議会にお諮りしたいと考えております。

 以上から、本定例会において、「美咲町役場の位置を定める条例の一部改正案」とともに、「美咲町多世代交流拠点整備事業の総事業費20億円の債務負担行為の予算案」を上程いたします。

 位置を定める条例は、地方自治法第4条に定められており、事務所の位置は住民の利用に最も便利であるように、交通の事情、他の官公署との関係を考慮し条例で定めることとしており、その改正には議会の三分の二以上の同意が要件となっております。

 債務負担行為は、建設事業全体の経費を町民の方々に明らかにするとともに、年度をまたいだ契約を可能にすることによってスムーズに工程を進めることを目的として設定するものです。また、20億円という数字は、本町の財政力を考慮した結果、他の自治体庁舎や複合施設と比べて極限まで低くしています。しかし、将来の負担をできるだけ抑えるため、この範囲内でやりきるのだ、という決意表明でもあります。

 これだけ大きな決断をしたのも、これまで共に議論を重ねてまいりました現職議員の皆様から、役場本庁舎を含む拠点整備に関する重要案件についてご判断を頂きたい、ということも理由の一つです。議員の皆様におかれましては、「美咲町の未来を切り開く歴史的一歩」を議会と執行部でともに刻みたい、という思いをどうかお汲み取りいただき、並々ならぬご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

(新町建設計画)

続きまして、本定例会に新町建設計画の改正案を上程いたします。新町建設計画は昨年3月定例会において計画内容の大幅な見直し、有効期間の令和6年度末までの延長を決定いただきましたが、今回は、先ほど申し上げた大規模プロジェクトの一つである旭地域の事業として、「旭小学校と旭中学校を統合して、令和5年4月開校を目指して、義務教育学校旭学園(仮称)を整備すること」、「(その後)旭小学校を旭地域の多世代交流拠点として大規模改修すること」を新たに追加します。

人口減少と少子高齢化が急速に進行している旭地域の現状や将来展望を踏まえた上で、学校を核として、多世代にわたる交流やにぎわいが生まれ、地域の活性化が促進される地域づくりを進めてまいります。

 

(行財政改革)

 今年度、行財政改革の取組を、10年ぶりに再開させました。私が本部長を務める庁内の行財政改革推進本部会議と、町民や専門分野の有識者で構成される行財政改革審議会で検討を重ねた結果、本町の行財政改革大綱「美咲町経営マネジメント指針」をまもなく策定いたします。厳しい財政状況の中にあっても、みらいに負担を残さず、持続可能なまちづくりを行ってまいりますが、策定後も審議会の力をお借りし、定期的に検証を行いながら行財政改革の取組を続けていく予定です。

 

(第三次振興計画)

 次に、第三次振興計画について申し上げます。本計画については、これまで本町が実施してきた施策を点検、継承するとともに、住民、地域、議会、行政がまちづくりの目標を共有し、「人口維持・歳入維持を前提としたこれまでのまちづくり」から、「人口減少・歳入縮小時代を見据えた新しいまちづくり」への転換を図り、持続可能なまちづくりを協働で進めていくために、令和2年度からの5年間の方向を示すものです。

 今後益々厳しくなる社会経済状況の中では、限られた人的資源、財源を活用し、事業の選択と集中を進め、スピード感をもって効率的な行政運営を行っていくことが必要であると考えております。また同時に、職員一人ひとりが働き方を見直し、専門知識や能力を伸ばし、課題解決に向けて自ら考えて行動し、最少の経費で最大の成果をあげる組織になることも、今後の町政運営にとって重要であると考えます。

 本年度から進めている行財政改革の取組を通じて、役場全体で、現在の事業の進捗状況や評価を行うこととしました。前例踏襲にとらわれず、真に住民福祉の向上に寄与するように見直しを行いました。併せて目標設定についても見直し、修正したものを美咲町第三次振興計画にも反映し、改訂いたします。

 本来であれば開会日である本日、議会に上程し、慎重審議をいただくべきところですが、作業が遅れ、間に合わせることができませんでした。振興計画審議会において改訂案の了承を得たものを追加上程させていただければと存じますので、なにとぞ、御容赦くださいますようお願い申し上げます。

 また、今後も、毎年度見直しを行い、計画の実効性・有効性を担保してまいります。

 

(岬町との交流事業)

 昨年11月に友好交流都市協定を締結した大阪府岬町との交流事業については、新型コロナウイルス感染症対策を考慮し、まずはICTを活用したリモートによる交流、両町の物産を交換することから始めております。

 先日、大阪府岬町の田代町長からひまわりの種を200粒頂きましたので、令和3年度は、大阪府岬町の「ひまわりいっぱいぷろじぇくと」を本町においても共同で実施することとします。頂いた種を町内小中学校で植え、また本町で既に活動されているひまわり活動ともコラボしながら両町でひまわりを増やし、「笑顔があふれ」「元気いっぱい」の「みさき町」をともに作ってまいります。

 また、コロナ禍が収束することが前提とはなりますが、大阪府立青少年センターを活用させていただき、海洋研修や交流事業を企画する予定です。

今後、多くの分野やさまざまな年代での両町民の交流が進むことを大いに期待しております。

 

(中央町誌資料編の刊行について)

 町史編さん事業についてご報告いたします。中央町誌については、民俗編、地区誌編についで1月に資料編を刊行しました。町民の皆様には貴重な情報や資料等の提供を賜り、多大なご協力をいただきましたこと深く感謝申し上げます。令和3年度は4編目となる通史の編さんを行い、中央町史の編さんが完了する予定でございます。

 

(美咲町教育振興基本計画及び美咲町生涯学習推進計画について)

 本町では、令和2年4月に指定した小中一貫教育校の充実を図るため、旭地域と柵原地域に義務教育学校を令和5年4月、令和6年4月に開校を目指して進めているところであります。

 こうした状況を踏まえ、現在の第二次教育振興基本計画の改定を前倒し、令和3年度から「第三次教育振興基本計画」がスタートします。

 そして、それに伴い、新たに「美咲町生涯学習推進計画」を策定し、幅広い年齢層による生涯学習活動が個人の成長と地域社会の持続的発展につなげられるよう、施策を展開していきます。

 町民の皆さんが、楽しく学びながら、「学び」を通じて多様化する社会に対応し、幅広い年齢層による生涯学習活動からまちづくりにつなげていくことを目指す計画であり、本町の教育行政を「美咲町教育振興基本計画」と「美咲町生涯学習推進計画」との両輪で実施推進していくものであります。

 

(福祉、医療について)

 次に福祉、医療についてです。

 まず、昨年から町において大きな懸案事項である、新型コロナウイルス対策について申し上げます。ワクチンの接種 については報道されているとおり、予防接種法の「臨時接種」に特例を設け、厚生労働大臣が指示し、都道府県の協力により、市区町村が実施主体となり接種をすることとなります。

 2月14日にファイザー製薬のワクチンが特例承認されて以後、今後、国が示す優先順位に沿って接種することになります。本町としても県や他の市町村と連携しながら接種体制の確立に努めてまいります。

 また、町内に感染者が出た場合でも津山保健所と連携して適切に対応するとともに、人権侵害が決して起きることがないよう、広報に努めます。

  新型コロナウイルス感染症対策に限らず、子どもから高齢者までの多世代、そして様々なハンディキャップをお持ちの方が、お互いに支え合い活き活きと健康に暮らしていけるよう、各種施策を推進してまいります。

 妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制を図るため、昨年12月1日に、子育て世代包括支援センター「たんぽぽ」を設置し、専用の相談室で、お子様やご家族の方々のご相談に応じ、様々なアドバイスや支援をしています。

 具体的な事業としては、出産後の育児に対しての不安やサポートを行うため、医療機関へのショート宿泊事業である出産包括支援事業や2回の健康診査費用の助成事業をします。また、家庭での養育が一時的に困難となった児童を一時的に施設で養育できる子育て短期支援事業も行います。

 がん患者に対しての支援として、医療ウイッグ費用の助成や将来、出産を望むがん患者に対して行う妊孕性温存治療費用の助成についても、引き続き行ってまいります。

 併せて、不妊治療費用の助成など、これまでの施策も継続して実施いたします。

 心身障害者の受診を容易にするため、障害者に対して医療費の一部を支給する措置を新たに講じることとしました。これまで、給付対象となっていなかった精神障害者を対象者とする条例改正を本議会に提案していますので、ご審議の程、よろしくお願いいたします。

 

(地域福祉計画の策定)

 地域福祉計画は、福祉分野の上位計画として、「誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくり」を基本理念とし、「美咲町第三次振興計画」に定められたまちづくりの実現を目指すものです。

 先日2月22日に策定委員会委員長から答申をいただきました。この答申をもとに計画を策定し、各種施策を推進することで、地域に暮らす住民や活動団体などが相互に支え合い、すべての住民がより安心して暮らしていくことができるような福祉のまちの実現を図っていきたいと考えております。

 

(「美咲町高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画」)

 関連して介護分野についてですが、令和3年度から令和5年度までの3か年を計画期間とする「美咲町高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業計画」につきまして、2月22日に策定委員会委員長から答申をいただきました。

 日常生活支援総合事業や認知症対策などの高齢者福祉施策の充実や、介護保険制度における、給付と負担のバランスを考慮しながら、給付の適正化を図り、将来にわたり安定した運営がなされるように努めてまいります。

 

(消防・防災について)

 次に、消防・防災関係について申し上げます。昨年は梅雨の長雨があったものの、幸いにも大きな災害は無かった1年でしたが、油断することなく引き続き地域防災力の強化に努めてまいります。

 地域防災の要である消防団の機能強化については、令和3年度も消防車両や防火水槽の整備を例年と同様に行い、その強化に努めてまいります。

 また、今年度に太陽の広場において整備しております、水出し操法にも対応できる消防防災訓練場が、照明工事を残して出来上がっています。より実践的な訓練が行えるよう整備しておりますので、消防団の技能強化などの訓練に使用していただき、有事の際に備えていただきたいと考えています。

 防災については、ハザードマップを来年度に更新し、町民の皆様に周知を図ることとしております。岡山県が新たに設定した浸水想定区域や土砂災害危険区域などを図示し、リーフレットやホームページ上でも公開する予定ですので、ご家庭で避難計画を立てる参考としていただければ幸いです。

 避難所の備蓄、感染症対策も重要です。今年度は新型コロナウイルス感染症対応臨時交付金を活用し、町内15か所にブルーシート等の物資の備蓄、コミュニティハウスや老人憩の家にはトイレの改修や発電機、感染症対策の物資等を導入することができました。今後も、財源を確保しながら避難所の充実に努めてまいります。

 また、美咲町防災訓練についてです。コロナ禍の収束状況にもよりますが、9月の防災週間に合わせて防災訓練を行いたいと考えています。

 

(農林業振興について)

 続いて、農林業の振興について申し上げます、農林業は本町の基幹産業であり、特に農業分野では好評をいただいております農業振興作物の種苗補助制度の産地づくりパワーアップ事業は、令和3年度も継続して参りますので、より一層の特産物の産地化形成が進むよう頑張る農家を応援するものであり、ご期待を申し上げます。

 次に、鳥獣による農作物被害も深刻な状況となっております。昨年に引き続き対策として、柵などによる防護と並行して、捕獲・駆除にも力を入れているところです。猟友会駆除班員の新たな加入促進と、高齢化などへの支援策として新規狩猟免許の取得経費の全額負担や、狩猟免許更新に対する経費を一部補助する制度は今後も継続してまいります。「箱わな」についても昨年と同規模の20基程度の貸与数を確保し設置を進めてまいります。

 新築木造住宅の補助制度については、県産材の一層の消費拡大を狙い、今までの県産材利用の要件に加え、町内の工務店や製材所を利用した場合には、補助額を2倍の50万円とするよう制度を拡充しておりますので、今まで以上に制度の利用をお願いしたいと思います。

 

(商工振興について)

 次に、コロナ関連の支援事業としまして、令和2年度にも実施しておりました創業支援について、その限度額を少し抑制し、より多くの方にご利用いただけるよう制度を一部改め継続してまいります。

 庁内で新たに起業する方の後押しをすることで、コロナ禍で停滞する地域経済に少しでも刺激を与え、好循環をもたらすことに繋がれば幸いです。

 

(観光振興について)

 次に、令和3年度山陽新聞の新春インタビューでも触れましたが、観光事業の経済効果を地域に波及させるための官民組織「美咲DMO(仮称)」を立ち上げるべく観光庁へ候補法人としての登録申請を行っております。

 核となる組織は株式会社 美咲物産としており、加熱する地域間競争に打ち勝つため、町全域の「稼ぐ力」を引き出す司令塔としての役割を期待しており、新型コロナウイルスの動向を注視しながら、戦略的な賑わい創出を目指すものであります。

 

(その他(町民生活関係))

 ここからは、日々の町民の皆様の生活に密接に関連している事柄について、御説明いたします。

 マイナンバーカードの取得促進についてです。美咲町でのカード取得率は、1月31日現在、3,617枚、人口比25.7%(県下4位)※(1位 鏡野町・2位 和気町・3位 倉敷市)となっています。

 マイナンバーカードについては、今月から健康保険証としての利用が開始されるなど活用範囲が広がっており、本町としてもさらにカード取得促進を図ってまいります。現在開催しています住民税申告相談会場において、待ち時間を利用してのカード申請受付を行っております。また、3月7日の日曜日には、申請手続きのための休日窓口を開設することを予定しています。

 4月以降も引き続き休日窓口の開設や企業、自治会、老人クラブ、サロン等で10人以上の団体を対象に町職員がお伺いし、一括で申請を受け付ける出張申請受付サービスを実施してまいります。申請に必要な写真もその場において無料で撮影しますので、是非ご利用ください。

 カード未取得の方へ「申請用QRコード付きマイナンバーカード交付申請書」が総務省から送付される予定ですので、オンライン申請もご活用いただき、町民の皆様には積極的なカード取得をお願いします。

 

(二酸化炭素排出実質ゼロ宣言)

 次に、2050年二酸化炭素排出実質ゼロ宣言についてご報告いたします。

去る2月2日、岡山連携中枢都市圏連絡協議会において、構成13自治体共同で2050年二酸化炭素排出実質ゼロ宣言を行いました。

 近年、地球温暖化や気候変動が及ぼす影響が世界中で観測されており、将来的に地球温暖化を原因としたさまざまなリスクが懸念されているところです。国連の報告書では『気温上昇を1.5℃に抑えるためには、2050年頃までに二酸化炭素(CO2)の実質排出量をゼロにする必要がある。』とされています。

 この目標達成に向けて環境省では、全国自治体へ2050年二酸化炭素排出量実質ゼロの表明を呼びかけており、今回、岡山連携中枢都市圏を構成する8市5町が宣言したもので、美咲町も提案に賛同し「美咲町ゼロカーボンシティ宣言」として表明したところです。

 政府は、今年6月頃までに2050年までの工程表「地域脱炭素ロードマップ」を示すとのことで、その内容を基に具体的な取り組みを検討してまいりますが、まずは広報みさきや告知放送、みさきテレビ、町ホームページ、SNS等を活用し、二酸化炭素排出抑制につながる省エネルギー推進について情報発信してまいります。

 

(令和3年度当初予算について)

 これらの事業を着実に実行するために必要な予算を取りまとめ、予算案として本定例会に上程いたします。

 本町の財政を取り巻く現状は、大幅な税収回復の兆しはなく、自主財源の増加は見込めない状況にあり、引き続き厳しい状況が予想されます。また、令和3年度からは、3地域で大規模プロジェクトが本格的に始動します。規律ある財政運営を堅持し、将来負担の軽減を図りながら、徹底した歳出削減を図るとともに、「人口減少・歳入縮小時代」を見据えた新しいまちづくりの転換を図る「賢く収縮するまちづくり」を基本目標とし、これまで以上に選択と集中を徹底し、限られた財源の中で必要性、緊急性のある事業に集中して取り組むことを念頭に予算編成を行いました。

 予算規模は、一般会計が前年度に比べて約5億3千万円増の115億2,013万円余となっています。

 町の将来を左右する重要な予算です。議員各位におかれましては、慎重な御審議を賜りますようお願い申し上げます。

 

(小規模多機能自治の推進について)

 まちづくりの主役は町民の皆様一人ひとりであり、住民が主体となって活動すること、それを町が支援することについて、住民と行政がそれぞれの立場を理解し意識を高めていくことが求められています。

 具体的には、地域における様々な困り事への対処について「自分事」として主体的に取組まれている町民の皆様の声を、町も真摯にお聴きしながら、一緒になって考えさせていただければと思っています。

 令和3年度は、地域の様々な課題に主体的に取組まれている皆様の声をお聴きし、一緒に考える場として、感染症対策の観点から少人数での開催となると思いますが、自治会単位で座談会を設けることを考えています。

 私もできる限り、これに参加させていただき、地域の皆様の声を踏まえて、これからのまちづくりの方向性を見定めていく参考にもさせていただきたいと思います。

 

(美咲町議会議員選挙について)

 次に選挙についてです。本年4月23日に任期満了を迎える美咲町議会議員選挙は、4月6日告示、4月11日執行、議員定数は14人であります。

今回の選挙は全ての期日前投票所において、告示の翌日から行い、各総合支所でも本庁と同様に期日前投票ができますので、よろしくお願いいたします。

 故郷、美咲を未来につなぐための選挙であります。必ず投票に行きましょう。

 

(第49回衆議院議員総選挙について)

 また、本年10月21日に任期満了を迎える第49回衆議院議員総選挙が執行されます。

 選挙日程は、まだ決定されておりませんが、我が国を未来につなぐ選挙であります。必ず投票に行きましょう。

 

(職員の確保について)

 これまでに申し上げた数多くの施策は、社会経済情勢の変化により多様化する住民ニーズに応えるべく着実に実施していく必要があるものばかりです。そして、そのためには、優秀な職員を継続的に確保していく必要があります。しかし、全国的な空前の人手不足の影響を受け、本町においても、職員の確保が困難となっている状況です。

 多岐にわたる住民ニーズにお応えするためには、優秀な人材を確保するべく合同説明会など開催し、「美咲町で働きたい。」と希望する熱い思いを持った若者の確保に引き続き努めてまいります。

 令和3年度4月に採用する職員の人数は、事務職3人、保健師1人、保育士2人の計6人の予定であり、優秀な人材が確保できたものと考えております。

 なお、土木職員については、ここ数年来、応募者が無く、厳しい状況が続いております。本町はこれから柵原義務教育学校を始めとする大規模事業を控えており、専門的な知識を備えた技術者の確保が急務となっていることから、公益財団法人岡山県建設技術センターから職員1名の派遣をお願いしているところであります。その経費は当初予算案に計上しておりますので、議員各位におかれましてはご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 また、既に採用されている職員の意識改革、能力向上については極めて重要です。役場の存在意義は「町民の幸せのために自ら学び、考え、そして行動する」ことにあります。職員には、研修などを通じて能力の向上を促すとともに、現場に出て住民との対話をしっかりと行うよう引き続き指導してまいりたいと思います。

 

(終わりに)

 本町は行政エリアが東西25キロ、南北10キロと細長い町で、旧3町ごとに生活圏が異なっております。まちづくりの骨格を考えたとき、3地域を結んですべての施設を統合するよりも、 まずは活性化の鍵となる拠点が3地域にそれぞれ必要であると考えております。施設の整備をやり遂げるだけでなく、そこを活用してどのような活動・ソフト事業が行われるかが重要であり、3地域それぞれのエリアで活性化していただき、それを有機的に連携させることで町全体の発展を図りたいと考えております。

 旭地域における義務教育学校及び総合支所を含めた複合施設、柵原地域の地域づくりの拠点ともなる義務教育学校、そして中央地域の役場本庁舎を含む拠点整備、この3つの大規模プロジェクトは、美咲町の将来を担う子どもたちの世代のために不可欠な事業です。

 まちづくりの骨格を作るには、事業の選択と集中や、既存施設の見直しなど、当然痛みは伴います。やらなくても済むものならそれに越したことはありませんが、将来子どもたちが大人になった際に、あの時の大人は何をしていたのだと言われないようにしたい、その思いで、私は、3地域の大規模プロジェクトを「不退転の覚悟」で挑ませていただく所存であります。

 

 今年度、中央地域の加美小学校の大規模改修事業について、9月には教室棟の引き渡しを受け、子どもたちは2学期の途中から快適な教室で授業を受けることができました。学校にお邪魔した際に子どもたちが目を輝かせながら「町長ありがとう」と言ってくれ、私を含め職員一同は、2年間で財源や予算の確保、工期の調整など色々苦労したことが、いっぺんに吹き飛ぶような気持ちがしました。

 3つの大規模プロジェクトも、完了する時に皆さんとともに喜び合い、新しい一歩を踏み出す日を夢見て、目の前にある懸案事項に立ち向かってまいります。

岡山県の真ん中で、小さくてもきらりと輝く美咲町、「ひと 輝くまち みさき」の20周年に向けて、ともに力を合わせ創り上げていきましょう。

 御清聴ありがとうございました。


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