○美咲町環境保全条例
平成17年3月22日
条例第174号
(目的)
第1条 この条例は、町民が安全かつ快適な生活を営む上において環境の保全が極めて重要であることから、環境基本法(平成5年法律第91号。以下「法」という。)の基本理念にのっとり、事業者、町及び町民の環境の保全に関する責務を明らかにし、環境への負荷(法第2条第1項に規定する環境への負荷をいう。以下同じ。)の低減及び効果的な地球環境保全(同条第2項に規定する地球環境保全をいう。以下同じ。)の対策を定めることにより、現在及び将来の町民の健康で文化的な生活を確保するとともに、生活環境を保全し、もって町民の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生動物の種の減少その他の地球全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境保全であって、人類の福祉に貢献するとともに町民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することも含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。
(4) 生活環境 人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。
(5) ばい煙 次に掲げる物質をいう。
ア 燃料その他の物の燃焼に伴い発生する硫黄酸化物
イ 燃料その他の物の燃焼又は熱源としての電気の使用に伴い発生するばいじん
ウ 物の燃焼、合成、分解その他の処理(機械的処理を除く。)に伴い発生する物質のうち、カドミウム、塩素、弗化水素、鉛その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質(アに掲げるものを除く。)
(6) 粉じん 物の破砕、選別その他の機械的処理又は堆積に伴い発生し、又は飛散する物質をいう。
(7) 有害ガス 人の健康又は生活環境に障害を及ぼす気体状又は微粒子状の物質(ばい煙及び粉じんを除く。)
(8) 汚染物質 工場若しくは事業場(以下「工場等」という。)又はその施設から発生し、排出し、又は飛散するばい煙、粉じん、汚水(温水及び廃液を含む。以下同じ。)、有毒ガス、騒音、振動及び悪臭をいう。
(9) 産業廃棄物 工場等における事業活動に伴って生ずる汚泥、廃油、ピッチ、合成樹脂くずその他の廃棄物(ばい煙、粉じん、汚水及び有害ガスを除く。)をいう。
(10) 生活排水 炊事、洗濯、入浴等人の生活に伴い公共用水域に排出される水(排出水を除く。)をいう。
(事業者の責務)
第3条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、公害の防止、生活環境の保全、環境への負荷の低減等、環境保全に必要な措置を講ずるとともに、町が実施する地球環境保全、公害の防止、生活環境の保全に関する施策に協力しなければならない。
(町の責務)
第4条 町は、町民の健康を保護し、及び生活環境を保全するため、自然的、社会的条件に応じた環境保全に関する施策を策定し、及びこれを実施するものとする。
2 町は、自らの施策の実施に伴う環境への負荷の低減に積極的に努めなければならない。
(町の施策)
第5条 町は、公害及び廃棄物等不法投棄の状況をは握し、その防止のための措置を適正に実施するために必要な監視体制を整備するとともに、測定、試験及び調査の体制の整備に努めるものとする。
2 町は、前項の規定により、環境保全監視員を設置するものとする。
3 町は、公害の予測に関する調査その他公害の防止のために講ずる施策の策定に必要な調査を実施するものとする。
4 町は、生活環境の保全及び公害に関する知識の普及を図り、環境の保全及び公害の防止の思想を高めるとともに、町民の自主的活動の助長に努めるものとする。
5 町は、土地の開発、企業の誘致等地域の開発及び整備に関する施策の策定及び実施に当たっては、環境の保全、公害の防止について配慮するものとし、岡山県県土保全条例(昭和48年3月27日岡山県条例第35号)及び美咲町開発事業の調整に関する条例(平成17年美咲町条例第213号)により対応する。
6 町は、資源の循環的利用、エネルギーの効率的な利用、廃棄物の発生の抑制等により、資源循環型社会の実現を推進すること。
7 町は、地球温暖化の防止及びオゾン層の保護並びに環境保全に関する国際協力を推進することにより、地球環境保全に貢献すること。
(環境審議会)
第6条 町は、法第44条の規定に基づき、美咲町環境審議会(以下「審議会」という。)を置くことができる。
2 審議会は、町長の諮問に応じ、環境に関する基本的事項を調査、審議するとともに、法令の規定によりその権限に属する事務をつかさどる。
3 審議会は、委員15人以内で組織する。
4 この条文に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、町長が別に定める。
(町民の責務)
第7条 町民は、日常生活において互いに生活環境を損なうことのないように心がけ、進んでその整備に努めるとともに、町が実施する生活環境の保全に関する施策に協力する等環境の保全に寄与するように努めなければならない。
2 町民は、環境保全上の支障を防止するため、資源エネルギーの消費抑制、廃棄物の発生抑制等により、日常生活に伴う環境負荷の低減に努めなければならない。
(公害防止計画の協議)
第8条 事業者は、公害が発生し、又は発生するおそれがあると認められる工場、事業所、施設等(以下「工場等」という。)を設置しようとする者は、あらかじめ公害防止計画について町長と協議しなければならない。
2 前項の規定による協議には、次に掲げる事項を記載した事項を町長に届け出なければならない。
(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者
(2) 工場等の名称及び所在地
(3) 施設の種類
(4) 施設の構造
(5) 施設の使用方法
(6) 汚染質の処理方法
(7) その他町長が必要と認める事項
3 前項の規定による届出には、施設の配置図その他規則で定める書類を添付しなければならない。
4 開発条例による届出を必要とする開発事業は、事前にこの条例による協議を終了しなければならない。
(協定の締結)
第10条 町長は、環境保全のため必要があると認めたときは、工場等を設置する事業者との間に環境保全又は公害防止に関する協定等を締結するものとする。
2 町長は、前項の規定による協定等を締結しようとするときは、美咲町環境保全監視員の意見を聴くことができる。
(家畜飼養施設の維持管理及びふん尿の適正処理)
第11条 家畜の飼養施設(以下「家畜施設等」という。以下同じ。)を管理する者は、ふん尿その他汚物、汚水等、その処理施設の設置に努めるとともに、これを衛生的に維持管理し、悪臭の発生防止及びふん尿を公共用水域に排出しないように努めなければならない。
(緩衝地帯の設置)
第12条 工場等及び家畜施設等を管理する者は、生活環境を保全するために必要な緑地等緩衝地帯を設けるように努めなければならない。
(清潔の保持)
第13条 土地又は建物の占有者(占有者がない場合は、管理者とする。以下同じ。)は、その占有し、又は管理する土地又は建物の清潔を保つように努めなければならない。
2 何人も、公園、広場、キャンプ場、道路、河川、湖沼池その他の公共の場所を汚さないようにしなければならない。
(自然環境の保護)
第14条 何人も、河川、湖沼池、山林等の自然環境を保護し、みだりに自然環境を破壊しないように努めなければならない。
(燃焼不適物の焼却禁止)
第15条 何人も、ゴム、皮革、合成樹脂、廃油その他燃焼に伴って、悪臭が生じ、又は著しいばい煙及び有害ガスが発生するおそれのあるものを焼却してはならない。
(騒音の防止)
第16条 何人も、住居の環境が良好である地域その他特に深夜における騒音の防止を図る必要がある地域又は学校、病院その他これらに類する施設の周辺の地域においては、他人の睡眠を著しく妨げ、又はこれらの施設における教育、医療その他の活動を妨げる騒音を発してはならない。
(生活廃水の汚濁負荷量の削減)
第17条 町民は、公共用水域の富栄養化の防止のため、生活排水に含まれる窒素・りん含有物及び有機性汚濁物質の削減に関し、家庭において次の事項の実施に努めるものとする。
(1) ちゅう房で生ずる調理くず及び使用済食用油の排水中への流失防止
(2) 家庭用洗剤の適性使用及び石けんの積極的な使用
(3) し尿浄化槽の適正な維持管理
(苦情等の処理)
第18条 町長は生活環境に係る苦情の申立てがあったときは、速やかにその実情を調査し、当該苦情を適切に処理するよう努めなければならない。
(緊急時の措置)
第19条 町長は、工場等から発生し、排出し、又は飛散する汚染物質によって、人の健康又は生活環境を著しく損ない、又は損なうおそれがあると認めるときは、当該汚染物質を発生させ、排出し、又は飛散させている者に対し、その発生し、若しくは排出する汚染物質の量等の減少又はその発生若しくは排出の一時停止の措置を講ずるよう勧告し、又は命ずることができる。
(報告及び調査)
第20条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、汚染物質を発生させ、排出し、又は飛散させる者その他の関係者から施設の状況その他の必要な事項について報告を求め、又はその職員に、当該関係者の工場等その他の場所に立ち入り、その者の帳簿書類、施設その他の物件を調査させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(委任)
第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(罰則)
第22条 次の各号のいずれかに該当する者は、3万円以下の罰金に処する。
(1) 第8条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年3月22日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前の柵原町環境保全条例(平成3年柵原町条例第29号。以下「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。
3 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。
附則(平成18年6月23日条例第74号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成26年9月22日条例第26号)
この条例は、平成26年10月1日から施行する。
附則(令和4年3月18日条例第9号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。