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青野町長 施政方針演説(令和5年3月定例会)

印刷用ページを表示する 更新日:2023年5月18日更新

令和5年3月定例会 町長施政方針演説(令和5年2月27日)

 

(はじめに)

 本日ここに、令和5年美咲町議会3月定例会を招集いたしましたところ、議員各位には公私御多用の中、ご出席いただき、感謝申し上げます。

本定例会の開会に当たり、私の政治姿勢及び今後の町政運営について、その方針を申し述べ、議員各位をはじめ、町民の皆様の御理解と御協力を賜りたく存じます。

 

(合併20周年に向けて)

 美咲町が誕生してから、もうすぐ18年が経過し、あと2年で20周年を迎えます。令和5年4月に県教委の管轄、県北では初の義務教育学校「旭学園」が開校します。同じく義務教育学校「柵原学園」については、造成工事が完了し、令和6年4月の開校に向けて建築工事が進んでいます。新たなまちの骨格が見えてきました。令和5年度は、さらに加速すべくプロジェクトを推進してまいります。

 

(こども・子育て支援)

 こども・子育て支援につきましては、国はこどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中、いわゆる「こどもまんなか社会」と位置づけ、こどもの視点で、こどもを取り巻くあらゆる環境を視野に入れ、こどもを誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しするため、こども家庭庁をこの4月に設置することとしています。

県も国の動きに呼応し、子ども・福祉部(仮称)を設置する予定です。

私は、先の12月議会で2期目の町政運営にあたっては、こどもの笑顔が一層輝き、あふれるまちづくりを行う方針を表明しました。こうしたまちづくりを行うため、議会の皆様のご承認をいただければ、令和5年度から新たに「こども笑顔課」を設置します。こども笑顔課を子育て支援の総合窓口とし、国や県との連携をしっかり図るとともに、まちを挙げて取り組むこども・子育て支援の旗振り役として、機能させたいと考えています。

さて、こどもの笑顔が輝き、あふれるまちづくりを行うために、まず、2月22日には、日本青年会議所の「ベビーファースト運動」に参画して、「こどもの笑顔が みんなの幸せ」~みさキッズは希望のたまご。子本主義 美咲町~という活動宣言を行いました。県内の市町村では高梁市に次ぎ、美咲町と吉備中央町が同時に2番目の宣言を行いました。

私はこの宣言を実行するためには、全職員が一丸となって取り組むことはもちろんですが、子育て世代の方やこどもたちの想いをしっかり受け止める必要があると考えています。

これも議会の皆様にご承認をいただく話となりますが、令和5年度新たに「みさき共創室」を設置し、主に官民共創、ふるさと納税をはじめとするまちの収入増、美咲町応援大使の任命など関係人口づくり、SNSを使ったまちの情報発信など広聴広報に取り組ませる方針です。

なかでも広聴分野では私自らが各地域に出向き、役員の方だけでなく子育て世代の方やお子さんも含め多くの方との意見交換の場を持ちたいと考えています。この場で寄せられた町民皆さんの生の声を吸い上げ、町民の皆さんの想いを真摯に受けとめながら、こどもの幸せ最優先の施策を行ってまいりたいと考えています。

 

(多世代交流拠点整備)

 次に、多世代交流拠点整備についてです。役場庁舎の移転を含む美咲町多世代交流拠点整備については、拠点全体の大まかなレイアウトが決定しました。

現在、詳細な設計を進めており、早ければ、本年5月より、建設工事に着手する予定です。図書館や公民館などの生涯学習棟、物産センターなどが入居予定の産業棟の建築を先行し、令和6年3月の完成を目指します。役場庁舎につきましては、同10月完成を予定しています。

 次に、旭小学校跡のリノベーション(大規模改修)による旭地域の多世代交流拠点施設整備についてです。

旭総合支所や西川診療所、児童館、図書館、岸田吟香記念館、訪問看護ステーション、貸しオフィスなどの入居を予定しており、大まかなレイアウトを決定するため、基本設計を行っています。令和5年度より、詳細な設計に着手し、同6年度早期の完成を目指します。

 

(義務教育学校関係)

 次に、義務教育学校の進捗状況についてであります。まず旭学園についてですが、4月の開校に向け、鋭意、増改築工事を行っております。一部外構工事が4月にずれ込む見込みですが、4月からの新校舎での授業開始に向けて最終の工事を進めています。

旭学園の今後のスケジュールについては、3月25日に旭小学校・旭中学校閉校式典を行い、午後から職員、保護者、地域の方々と一緒に引っ越し作業を行う予定にしています。年度が替わりまして、4月7日に入校式を行い、同10日に入学式を行う予定です。

 柵原学園につきましては、令和6年4月の開校に向け、校舎建築工事は予定通り順調に進んでおり、今年度末までには30%程度の進捗になる見込みです。

 現在は総務・PTA部会で、校章、校歌、制服について協議を重ね、通学部会においてもスクールバス・自転車・徒歩における通学方法の協議を重ねているところです。

引き続き、議員各位のご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

(小規模多機能自治)

 次に、小規模多機能自治についてです。昨年、小規模多機能自治組織として認定された倭文西まちづくり協議会につづき、町内の各地域でも小規模多機能自治の組織形成に向けた話し合いや、住民アンケート調査への準備が進んでいます。

特に打穴協働のまちづくり協議会は、「出来ることから始めよう!」という機運の高まりから、「やってみん会打穴」の愛称のもと、4自治会が協力し活動が始まっています。高齢者向けのスマホ教室、長寿お祝い会、子どもケーキ作り、協働での草刈り、鳥獣害対策講習会など、できることから始めようと地域活動に取り組みました。こうした活動が認められ、1月に美作県民局長から地域づくり推進賞が授与されました。

倭文西まちづくり協議会は地元小学生や美作大学の学生の協力のもと、黄旗による見守り運動を始めました。また、まきばの館レストランとの関係の構築、倭文西キャラクターの作成、倭文西に伝わる郷土料理のレシピ冊子づくりなどにも取り組んでいます。そして一番の目玉としては、休止状態だった倭文西まちづくり協議会のFacebookページを引き継いで、倭文西をアピールしようと情報発信を行っています。このページを見つけるにはFacebookで「倭文西まちづくり協議会」と検索していただくと見つけられます。議会、町民の皆様もぜひ見つけてフォローしていただければと思います。

すでにアンケート調査が終了している、江与味、大垪和、北和気の各協議会においても、定期的に関係者が集まり、地域みらい計画策定へ向け話し合いが進んでいます。

そのほか、吉岡地域では、まずは防災について地域全体で情報共有しようとワークショップを行っています。また、加美地域、飯岡地域でも、地域住民代表が集まり、アンケート調査に向けて地域独自のアンケートづくりが始まっています。

 

空き家対策

 次に、空き家対策についてです。空き家については、増加の一途をたどっており、現在1,000戸程度の空き家が、20年後には人口減少に伴い、倍増するという予測もあります。

 そのため、令和5年度から、空き家の件数や状態などの実態調査に着手します。合わせて、空き家の被害や適正管理の方法、空き家のリスク、除却や利活用、相続などの相談に、ワンストップで対応する「空き家総合相談窓口」を、NPOや専門家と連携して開設する計画です。

また、それぞれの空き家の状態に応じ、所有者や管理者に対し助言、指導を行うとともに、広く町民に対し啓発してまいります。

 

男女共同参画の推進

 次に、男女共同参画の推進についてです。

岡山県からの若い世代の転出が加速しており、美咲町でも若い世代の転出超過が続いています。

若い世代(特に女性)が住みたいと思うまちにならなければ、まちは衰退の道を歩むことになります。

若い世代の転出超過と比例するように、これまで90人前後の出生数は、令和2年64人、3年79人、昨年は55人まで減少しました。

「子どもの幸せ最優先のまち」を創らなければなりません。こどもが幸せなまちは、みんなが幸せなまちになるはずです。

男性でも女性でも、異性愛者でも同性愛者でも、結婚していても、していなくても、こどもがいてもいなくても、年をとっていても障がいがあっても、みんなが幸せになれるまちです。

子育て家庭への経済的支援の充実は、もちろんですが、「男は仕事、女は家庭」という根強い価値観、「ジェンダーギャップ(男女の違いにより生れる格差)」を解消していくことが必要であると強く感じています。

 近年、経済が停滞するなどして所得が上がらず、共働きが一般的となっていますが、男女間で、家事育児の負担は、依然として女性に大きく偏っています。

 また、女性が女性であるというだけで、補助的役割のみに甘んじ、能力を磨き、発揮する機会もないとすると、企業にとっても、地域経済にとっても、地域社会にとっても大きな損失です。

まずは、男性が、家庭(家事育児)へ進出していかなければなりません。

美咲町の男性は、(こどもから高齢者まで)みんなが、「あたりまえ」に家事や育児ができるようになることが目標です。

今変わるべきは男性です。役場から企業、学校、家庭、そして地域、まちへと広げていきます。

 

(行財政改革)

 次に、行財政改革についてであります。令和4年度も町民や専門分野の有識者で構成される行財政改革審議会をここまで4回開催していただき、ご意見をいただいております。

 令和2年の国勢調査の結果では、美咲町の人口減少率は残念ながら県内ワーストです。少子化対策、移住・定住促進等、人口減少対策は行ってまいりますが、今後大きな人口増は見込めない状況です。

 このような状況を踏まえ、私は「賢く収縮するまちづくり」を掲げています。予算規模や公共施設が縮小しても、そこに住む町民に幸せを感じていただけるよう改革を行ってまいります。

行財政改革は、ときには痛みを伴い、皆様から理解を得ることが難しいこともあるかもしれませんが、この町が今後生き残っていくためには必要不可欠なプロセスです。

困難はあろうとも、私自ら、先頭に立って取り組み、「ひと 輝くまち みさき」を実現してまいります。

 

(自治体DXについて)

 次に自治体DXについて、国はデジタル技術を活用した「誰ひとり取り残さない社会」、いわゆる「デジタル田園都市国家構想」の実現を目指しています。

 本町におきましては、「子育てアプリ」の開発や「お悔み業務」の改善に取り組んでいますが、令和5年度には自治体DXをより現実的に進めて行くため、業務の見える化と改善に向けた取組みをスタートし、より効率的なデジタル技術の活用につなげていきたいと考えています。

 

(新型コロナウイルス感染症)

 新型コロナウイルス感染症について、昨年12月から年明けにかけて感染者が増加し、県内で1日5千人を超える日もあるなど、流行「第8波」を迎えましたが、1月上旬をピークに減少傾向となり、県は2月9日に感染レベルを「2」に引き下げ、昨年末に発令された医療ひっ迫警報も解除しました。

国においては、3月13日からマスク着用については、個人の判断とすることとし、5月8日からは、新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけを2類から5類へ変更するなど、3年に及ぶコロナ禍も徐々にではありますが、元の生活に戻りつつあります。

 また、ワクチン接種について、現在、当町でのオミクロン株対応ワクチンの接種率は人口の51%となっています。

重症化リスクが高い場合などは、引き続き注意が必要です。感染予防、重症化予防のために積極的なワクチン接種と基本的な感染防止策の徹底を継続していただきますようお願いします。

 

(美咲町ブドウの産地づくり総合対策事業)

 町の特産品である「ブドウ」につきましては、ここ10年で出荷数量が2倍、販売金額が3倍と順調な伸びとなっています。

しかし、ぶどう農家の高齢化率は約65%であり、新規に栽培を取り組む農業者の育成が必要不可欠であります。町は令和5年度から9年度に向けて、新規にブドウ栽培に取り組む方を6人、栽培面積5㌶の増加を目標に新規事業をスタートさせます。お知り合いの方で新たにブドウづくりに取り組みたい方がおられましたら、お問合せいただければと思います。

 

(商工業者支援)

町内で新たに起業する方を支援する創業支援事業について、創業にかかる経費の2分の1、最大100万円を補助する事業に加え、令和5年度から新たに、町内商工業者の後継者不足による廃業の抑制や技術の継承のため、経営における知識、技能研修等に要する費用の2分の1、最大5万円を補助する事業を実施します。

 

(ミサキアエル・プロジェクト)

まちの課題解決に向けて起業家を呼び込む「ミサキアエル・プロジェクト」は現在、「山の仕事」・「鉄道遺産」など、10のテーマで地域おこし協力隊を募集しています。

3月からは「6次産業化」のローカルベンチャー1人が活動を開始する予定です。このほか、「棚田再興」などのプロジェクトに5人の方が応募していただき、現在、選考しています。まちの活性化と地域課題解決のための活動を推進していきます。

 

(中央児童公園整備)

次に中央児童公園については、令和5年4月のリニューアルオープンに向けて、急ピッチで工事が行われています。

2月の広報誌で遊具の設置のイメージをお知らせしていますが、小さなお子さんから児童・生徒までがワクワクしながら楽しめる遊具の設置を予定しています。

また新しい公園の愛称を明日28日まで募集しております。どんな愛称になるのか、今から楽しみにしています。

また、今回遊具の設置と併せて、公園内の野球場側にある公衆トイレの改修も行い、公園を訪れた皆さんに快適にご利用いただけるよう工事を進めております。

この春には中央児童公園が、子育てをする親子連れ、また障害のある方も含め、誰もが楽しめる安全で安心な憩いの場所となり、子どもたちの笑顔があふれる拠点となりますよう進めておりますので楽しみにお待ちください。

 

(人事交流)

 先に説明しましたこども笑顔課、みさき共創室の設置といった役場内の機構改革とともに、これまでの県庁に加え、4月からは初めての試みとして農林水産省との人事交流を実施します。全国多くの町村から希望が出た中から2つか3つの自治体が選ばれたと聞いていますが、国の動向を素早くキャッチするとともに町職員のスキルアップにもつなげ、国とのルートを築いていきたいと考えています。

 

(令和5年度当初予算について)

先ほど申しました3大プロジェクトなどを着実に実行するために必要な予算を取りまとめ、予算案として本定例会に上程いたします。

少子高齢化に伴う人口減少により、自主財源の増加は見込めない状況にあります。

一方で、柵原・旭義務教育学校の建設、本庁舎周辺の多世代交流拠点整備事業など、一時的に多額の費用が必要となります。持続可能な財政構造の確立のため、一般財源を圧縮できるよう要求上限を設け、また起債やその償還についても、中長期的な見通しでコントロールするなど、財政健全化に取り組んでいます。

「第三次振興計画」に掲げている「人口減少・歳入縮小時代を見据えた新しいまちづくり」へ転換を図り、持続可能なまちづくりを協働で進めていくために、「賢く収縮するまちづくり」を目指し、質の高い行政サービスを実現する予算編成としました。

予算規模は、一般会計が前年度に比べて約26億6,000万円増の146億8,725万円余と、過去最高となっています。

 町の将来を左右する重要な予算です。議員各位におかれましては、慎重審議の上、ご承認賜りますようお願い申し上げます。

 


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