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町政報告(令和3年6月)

印刷用ページを表示する 更新日:2021年7月12日更新

 (はじめに)
 皆様、こんにちは。大変暑い日が続きます。
 6月定例美咲町議会が閉会しましたので、美咲町政についてご報告申し上げます。

(新型コロナウイルス感染症)
 はじめに、新型コロナウイルス感染症の対応状況についてご報告いたします。 岡山県では5月16日から6月20日まで、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発令されました。町は期間中、感染拡大防止のため関連施設(71施設)を閉鎖しましたが、緊急事態宣言の解除とともに、開館しました。皆様には公共施設の閉鎖により、ご不便をおかけしましたが、引き続き、感染防止対策の徹底をお願いします。
 ワクチン接種につきましては、5月17日から県内一斉に65歳以上の高齢者を対象に接種しています。集団接種につきましては、6月13日から8月1日まで町内3会場で、600人の接種を予定しています。ワクチン接種の際に、急なキャンセルなどにより当日ワクチン接種ができない場合、ワクチンが余ることが想定されますが、ワクチンの廃棄をなくし、有効に活用できるよう、医療関係者、児童館や保育園、小中学校などの教育関係者に接種していくこととし、ワクチンが無駄にならないよう努めてまいります。
 また、7月21日から4日間、中央中学校で18歳以上の方を対象に約2000人規模の集団接種を行います。
 一方で、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、コロナ後の社会を見すえて、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、タブレット端末購入費などを助成する「美咲町高校生等就学支援事業」や、事業者でセーフティネットなど融資を受けている事業主を支援する「起業支援事業」、また、医療提供体制の維持・継続を支援する「医療機関支援金支給事業」を実施いたします。
 その他、小規模多機能自治活動再開により、関係・交流人口増加につながる「コミュニティセンター整備事業」や、コロナ禍で都市から地方へ関心が高まる中、美咲町の空き家活用と、美咲町への移住を促進する「空き家を活用した移住定住促進事業」、外出自粛の影響で地域コミュニケーション力が低下しているため、幅広い世代で楽しめる卓球を通じてコミュニケーションを再構築する「四世代スポーツ推進事業」などアフターコロナの事業も実施してまいります。総額2億円の補正予算を執行します。

(美咲まちづくり懇談会)
 次に、美咲まちづくり懇談会についてです。4月16日の越尾地区を皮切りに、9地区との懇談会が終わりました。住民の皆様から、これからのまちづくりに向けて、多くの方から積極的で前向きなご意見をいただくことができました。
 新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言により、懇談会の開催を一時見合わせておりましたが、状況をみながら、懇談会を再開させていただく予定です。
 地区の皆さまにおかれましては、ご理解とご協力をお願いいたします。

(大規模プロジェクト)
 次に、3地域の大規模プロジェクトのうち、まず、(仮称)美咲町多世代交流拠点整備事業についてです。基本計画が3月に完成し、4月以降は、まちづくり懇談会などで、住民の皆さまの様々なご意見をいただいているところです。
 現在、これらを踏まえ、今年度中に請負事業者を選定してまいります。旭地域と柵原地域の義務教育学校の整備については、(仮称)旭学園は令和5年4月、(仮称)柵原学園は6年4月の開校を目指し、ともに4年度中の建築工事着手に向けて、建築設計業務を進めてまいります。
 担当課を中心に事業を推進しておりますが、いずれにしても、非常にタイトなスケジュールとなっています。円滑な実施に向け、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 
(加美小学校大規模改修)
 次に、加美小学校の大規模改修事業について、管理棟、体育館等の改修工事が完了し、ゴールデンウィーク中に引っ越し作業を終え、子どもたちは新しくなった校舎で元気にのびのびと学校生活を送っていると聞いています。   
 現在は、仮設校舎の撤去作業が完了し、グラウンドの整地を行っています。一連の工事が完了しましたら、新型コロナウイルスの感染状況にもよりますが、地元地域の方へのお披露目も検討しています。
 町内の学校についてはハード整備だけでなく、ソフト面の充実も大切です。この夏は「学校を核にしたまちづくり」をテーマにした講演会を3カ所で順次開催し、地域を挙げて学校を支える仕組みづくりを進めていきます。

(防災)
 続いて、防災についてです。
 県内に過去2番目に早い梅雨入りが宣言され、今年も大雨や台風の季節となってまいりました。
 防災につきましては、町といたしましても全職員を挙げて対応し、皆様の安全を守りたいと考えておりますが、地域の自主防災組織の協力がぜひとも必要です。
 今年は新型コロナウイルスの感染対策で密を避ける必要がありますが、それぞれが工夫をしてもらいながら地域防災力が高まるよう、取り組みをお願いいたします。
 また、5月20日から「避難勧告」が廃止され、「避難指示」に一本化され、よりすべきことが明確になりました。「避難指示」が出された場合は、躊躇(ちゅうちょ)することなく避難行動をとるよう、よろしくお願いします。

(内水対策について)
 次に、以前から課題となっている柵原地域飯岡地内の内水対策についてですが、令和3年4月末に内水対策検討業務委託の契約を締結しました。今後岡山県と連携を取りながら地域住民の安心・安全を確保するための作業を進めてまいります。
 また、平成30年豪雨で浸水被害があった塚角と周佐地内の内水対策につきましては、緊急自然災害防止事業を活用し、令和2年度から対策事業を進めています。
 塚角地区では6月26日にポンプ8台の試運転が行われ、今後ポンプを設置する工事を実施します。今年度中には両地区とも内水対策工事が完了する予定です。

(BMX全国大会優勝の快挙)
 続いて、うれしい話題です。自転車競技・BMXフリースタイル・パークのジャパンカップが5月14日~16日に茨城県で開催され、男子7歳~9歳の部で加美小学校3年生の谷本怜雅(りょうが)君が見事優勝されました。おめでとうございます。このBMXフリースタイル・パークは、東京オリンピックから正式に大会競技として追加され、夢は「オリンピックで金メダル」だそうです。子どもたちの頑張りは無限大だなと感じたところです。町としましてもこういった子どもたちの頑張る姿を応援していきたいと思っています。

(美作大学への支援)
 続いて、美作大学への支援についてです。コロナ禍で美作大学生の仕送りが減ったり、アルバイトができず困っているというお話を伺いましたので、町職員有志でお米や野菜を持ち寄り、学生たちに提供いたしました。
 今後は、町内の農家の方々にもご協力をいただき、学生たちとの交流も踏まえた支援をできたらと検討しているところであります。

(小規模多機能自治の推進について)
 先日、令和2年度国勢調査の速報値が公表され、美咲町の人口減少率は5年前の前回調査に比べ9.5%と県内ワーストの数値となっています。私は、2年半前の町長就任以来、「ひと 輝くまち みさき」という考えのもとに、「地域が主役のまちづくり」、「課題を自ら克服していくための仕組みづくり」を行っていくため、「小規模多機能自治」の必要性を訴え推進してまいりました。その小規模多機能自治に意欲的に取り組んでいただいている倭文西地域の記事が、先日の山陽新聞に掲載されました。
 中学生以上の全住民アンケートを実施して地域課題を分類し「福祉・防災」「空き家・草刈り」「子ども・子育て」「観光・交流」の4つの部会を構成されています。その中で、倭文西まちづくり協議会の森岡会長が「地域のみんなで『やろう』という気持ちで自ら実践し、行政がそれを支援する。そのやり方が大切だ」と話されておりました。まさに、小規模多機能自治の原点であります「自ら考え、決定し、実行する」という考えを実践しておられる地域が生まれてきていると実感いたしました。
 このような力強い胎動をさらに進展させていくため、役場内に関係各課と、さらに社会福祉協議会にも参加いただき、情報共有や意見交換を行う「地域課題共有会議」を設置して、地域を支援していく体制を整えています。
 今年度は、中間支援組織の「みんなの集落研究所」のお力をお借りしながら、この会議と地域の代表者で構成する「地域まちづくり会議」を並行して開催し、小規模多機能自治による地域づくりの現状を発信し ながら、一歩ずつではありますが、さらに前に進めてまいりたいと考えております。
 そして、年度末には、今年度のこれらの取組の成果として、「地域づくりフォーラム」を開催したいと考えております。この項冒頭に申し上げました通り、今回の国勢調査の速報値で美咲町の人口は13065人、減少率は県内27市町村でワーストと大変厳しい結果になりました。
 行政レベルでは人口減少率が上位3位だった美咲町、高梁市、吉備中央町が連携して対策に取り組めるよう事務レベルで準備を進めていきます。また、住民のみなさんとこうした現実をしっかり共有し、人口減少とそれに伴う諸課題を克服していければと考えています。
 東京都の人口がこの2月24年ぶりに前年を下回り、通常は最も転入が増える4月を含め3カ月連続で前年割れになるなど、コロナ禍で地方回帰の流れが強まりつつあるといわれています。
 実際に美咲町でも山間部に移住された方による農家民宿、パン屋、農村レストランが相次いでオープンしてきています。
 まずは、各地域の人口維持に向け、集落の住民の1%にあたる定住者を毎年迎え入れられる仕組みづくりなどについてしっかり話し合っていただけたらと思います。
(みさきあいさつ運動)
 コロナ禍で人と人の距離をあける生活が続いていますが、心の距離やつながりまでが希薄になってはいけません。こうしたときだからこそ、美咲町はまちを挙げた「あいさつ運動」を展開しており、現在推進団体が50を超えました。
 学校、自治会、各種団体、事業所、サークルなどに登録していただいており、町民の方が考えられた推進運動の標語が書かれたのぼりが町内各地にはためいています。柵原中学校の生徒たちもあいさつ推進隊をつくり定期的に朝、街頭に立っていただいており、先日私も参加しましたが、多くのドライバーが車の中からあいさつを返していただきました。
 まちの魅力は人の力で高めていけるものだとあらためて実感いたしました。町民みなさんが明るく元気にあいさつを交わす、そのような地域を目指して推進団体を随時募集していますのでよろしくお願いします。

(庁内改革)
 美咲町役場各所属の令和3年度の目標をホームページで初めて公開しています。所属の目標にリンクした1人ずつの目標もあり、5段階の人事評価の参考にし、勤勉手当に反映させるなど、法令に基づいた人事制度の運用を図っています。
 また、目立った業績を収めた職員に対しては表彰を行うなど、職員のモチベーションを高める仕組みも取り入れています。
 一方で、ルール違反などに対する懲戒処分の基準を厳格化し、メリハリをつけた人事制度とすることで全体の奉仕者としての公務員の自覚を促しています。職員に大きな違反があった場合は、私自身も責任をとるかたちで減給するなどの対応をしています。
 若手職員が職域を超え、月ごとにテーマを決めて調査研究をしている「地域課題解決プロジェクト」は現在6期目になっています。
 空き家、少子化、鳥獣害対策、自治体DXといったこれまでの取り組みのうち、お悔やみにかかわる届け出事務の簡素化と、電子母子 アプリの開発については引き続き実現に向けた取り組みを継続しています。

(終わりに)
 さて、この夏もみなさんが楽しみにしていた久米郡ふるさと夏まつりや大垪和の棚田きんちゃいまつりが昨年に続いて中止になったり、自治会や各種団体の総会行事が中止になるなど相変わらずコロナの影響を受けています。しかし、いつか必ずコロナは終息します。
 「近き者悦(よろこ)び 遠き者来る」という言葉があります。「住んでいる者が楽しく暮らしていると、外からも人々がやってきて繁栄する」という意味ですが、この言葉の通り、まずはまちの魅力を高め、住んでいる方が幸せに感じられるまちづくりが必要です。コロナ禍のこうしたときだからこそ、支えあい、元気を出してがんばっていきましょう。
 これから暑さも本格化し、コロナ禍もしばらくは続きますが、どうぞご自愛いただきますようお願い申し上げ、町政報告とさせていただきます。ありがとうございました。

 

 


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