敷地は上下2段に分かれており、東側上段には校舎と小学生用の小グラウンド、西側下段には中学生用の大グラウンドやテニスコートを配置しています。
建物の配置は、地域の利用頻度の高い屋体棟を入口側に、セキュリティーの観点から校舎棟は奥へと配置しています。
柵原学園への進入路は東側に町道から入るルートが2箇所と西側に県道からと調整池横から入るルートが2箇所、合計4箇所あります。
建物の構造は耐久性に優れる鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造の2階建てとしており、屋根は柵原鉱山の主要鉱物である黄鉄鉱の色を模した金属屋根になります。
建物北側の校舎棟1階は、西から教室・教科教室部門を配置し、中央に保健室、職員室、給食調理場などの管理部門、東に交流ホール、図書館、多目的室などのメディア部門と並んでいます。南側へ、屋内運動場アリーナ、器具庫、防災備蓄倉庫、部室や更衣室、それから児童館を配置しています。外部側には軒下駐輪場及びスクールバスの待合を配置しています。
校舎棟の2階には1階同様に教室・教科教室部門を配置しており、南の屋内運動場棟には観覧ギャラリーや武道場、卓球場があります。また屋外へはプールがあり、2階には専用の更衣室及びトイレも見込んでおります。階段は全体で5か所、そのうち校舎棟、屋内運動場棟にエレベーターを各1台ずつ配置しており、校内の移動動線を効率的にしています。
校舎棟は2層分の吹き抜けをもつ中央廊下を中心に、南側へ「普通教室」、北側へ「教科教室」を配置しており、一体的な空間としています。
普通教室は、全室南向きで明るい教室となっています。
各教室間には「オープンスペース」を設けており、教室同士をつないだり共用部を拡張するなどして多用な学習方法に対応できます。休み時間には児童・生徒の休憩ラウンジとして使用するなど様々な利用が可能です。
共用部の中廊下には、調べ物学習やグループワークが出来るようメディアスペースとフリースペースと名付けたエリアを設け、他学年交流を積極的に行えるようにしています。また、各教室の間仕切りにはプロジェクター投影やホワイトボードとして利用できる扉を設置しており、廊下でのグループワークに利用できます。
各階の特別支援学級に関しては、可動間仕切りにて個室化できる教室としており、少人数対応や各生徒に合わせた学習が行える教室としています。
校舎のトイレは従来の男女別としていますが、セクションごとに「だれでもトイレ」や「コミュニケーション用ベンチ」を設けるなど、配色も併せてLGBTQに対応した空間となるよう配慮しています。
職員室を中心とした管理部門は、建物中央に配置しるので全方位への見通しが利きやすく、校舎内外の様子を確認しやすい計画としています。
加えて、生徒や来校者など学校利用者が立ち寄りやすい様に、職員室は開放的な空間としています。
校舎東側には交流ホールと図書室、多目的室を配置しています。交流ホールは、学校生活で多目的に利用できるだけでなく、放課後には一般開放することで「地域センター」として利用できる配置としました。開放的な空間とクッション性のある床材としていますので、軽運動にも対応し、新たな地域活動の場となるよう設計しました。
屋内運動場棟には、1階に体育館アリーナと児童館、2階にプールと武道場、卓球場を配置しています。
児童館は駐輪場を備えた軒下空間から出入り可能で、送迎等の外来車両と近い関係配置となっています。
屋内運動場は避難場所となる為、自家用発電機をはじめ、かまどベンチやマンホールトイレを見込んでおり、非常時に対応できる仕様としております。