○美咲町職員の妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントを防止し妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する問題を解決するために職員が認識すべき事項についての指針
令和6年3月25日
訓令第7号
第1 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントを防止し円滑な業務運営を行うために職員が認識すべき事項
1 基本的な心構え
職員は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する次の事項について十分認識しなければならない。
(1) 妊娠、出産、育児又は介護に関する否定的な言動(不妊治療に対する否定的な言動を含め、他の職員の妊娠、出産、育児又は介護の否定につながる言動(当該職員に直接行わない言動も含まれる。)をいい、単なる自らの意思の表明を除く。)は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの原因や背景となること。
(2) 仕事と妊娠、出産、育児又は介護とを両立するための制度又は措置があること。
2 管理監督者として認識すべき事項
管理監督者は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントを生じさせないために、次の事項について十分認識しなければならない。
(1) 妊娠した職員がつわりなどの体調不良のため勤務ができないことや能率が低下すること、制度等の利用をした職員が正規の勤務時間の一部を勤務しないこと等により周囲の職員の業務負担が増大することも妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントの原因や背景となること。
(2) 業務体制の整備など、職場や妊娠等をし、又は制度等の利用をした職員その他の職員の実情に応じ、必要な措置を講ずること。
例えば、業務体制の整備については、妊娠等をし、又は制度等の利用をした職員の周囲の職員への業務の偏りを軽減するよう、適切に業務分担の見直しを行うことや、業務の点検を行い、業務の効率化等を行うものとする。
3 妊娠等をし、又は制度等の利用をする職員として認識すべき事項
妊娠等をし、又は制度等の利用をする職員は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに係る言動を受けないために、次の事項について十分認識しなければならない。
(1) 仕事と妊娠、出産、育児又は介護とを両立していくために必要な場合は、妊娠、出産、育児又は介護に関する制度等の利用ができるという知識を持つこと。
(2) 周囲と円滑なコミュニケーションを図りながら自身の体調や制度等の利用状況等に応じて適切に業務を遂行していくという意識を持つこと。
4 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントになり得る言動
妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントになり得る言動として、例えば、次のようなものがある。
(1) 職員が、妊娠等をしたこと又は制度等の利用の請求等をしたい旨を上司に相談したこと、制度等の利用の請求等をしたこと若しくは制度等の利用をしたことにより、上司が当該職員に対し、昇任、配置換等の任用上の取扱い、昇格、昇給、勤勉手当等の給与上の取扱い等に関し、不利益を受けることを示唆すること
(2) 次のアからエまでに掲げる言動により、制度等の利用の請求等又は制度等の利用を阻害すること(客観的にみて阻害されるものに限る。)。
ア 職員が制度等の利用の請求等をしたい旨を上司に相談したところ、上司が当該職員に対し、当該請求等をしないよう言うこと。
イ 職員が制度等の利用の請求等をしたところ、上司が当該職員に対し、当該請求等を取り下げるよう言うこと。
ウ 職員が制度等の利用の請求等をしたい旨を同僚に伝えたところ、同僚が当該職員に対し、繰り返し又は継続的に当該請求等をしないよう言うこと(当該職員がその意に反することを当該同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含む。)。
エ 職員が制度等の利用の請求等をしたところ、同僚が当該職員に対し、繰り返し又は継続的に当該請求等を取り下げるよう言うこと(当該職員がその意に反することを当該同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うことを含む。)
(3) 職員が妊娠等をしたこと又は制度等の利用をしたことにより、上司又は同僚が当該職員に対し、繰り返し若しくは継続的に、嫌がらせ的な言動をすること、業務に従事させないこと又は専ら雑務に従事させること(当該職員がその意に反することを当該上司又は同僚に明示しているにもかかわらず、更に言うこと等を含み、客観的にみて、言動を受けた職員の能力の発揮や継続的な勤務に重大な悪影響が生じる等当該職員が勤務する上で看過できない程度の支障が生じるようなものに限る。)
5 懲戒処分
妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントは懲戒処分に付されることがある。職員以外の者に対し、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに類する言動を行ったときも、信用失墜行為、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当して、懲戒処分に付されることがある。
第2 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために認識すべき事項
勤務環境はその構成員である職員の協力の下に形成される部分が大きいことから、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントが行われることを防ぐため、職員は、次の事項について、積極的に意を用いるように努めなければならない。
1 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントについて問題提起する職員をいわゆるトラブルメーカーと見て問題を真摯に取り上げないこと、又は妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する問題を当事者間の個人的な問題として片付けることがあってはならないこと。
職場におけるミーティングを活用することなどにより解決することが出来る問題については、問題提起を契機として、良好な勤務環境の確保のために皆で取り組むことを日頃から心掛けることが必要である。
2 職場から妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに関する問題の行為者や被害者を出さないようにするために、周囲に対する気配りをし、必要な行動をとること。
具体的には、次の事項について十分留意して必要な行動をとる必要がある。
(1) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントや妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに当たるおそれがある言動が見受けられる場合は、職場の同僚として注意を促すこと。
(2) 被害を受けていることを見聞きした場合には、声をかけて相談に乗ること。
3 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントを直接に受けていない者も気持ちよく勤務できる環境をつくるために、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントと思われる言動が行われている状況について上司等に相談するなどの方法をとることをためらわないこと。
第3 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントが生じた場合において職員に望まれる事項
1 基本的な心構え
職員は、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに係る言動を受けた場合にその被害を深刻にしないために、次の事項について認識しておくことが望まれる。
(1) 一人で我慢しているだけでは、問題は解決しないこと。
妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに係る言動を無視したり、受け流したりしているだけでは、必ずしも状況は改善されないということをまず認識することが大切である。
(2) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに対する行動をためらわないこと。
被害を深刻なものにしない、他に被害者をつくらない、さらには妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントをなくすことは自分だけの問題ではなく良い勤務環境の形成に重要であるとの考えに立って、勇気を出して行動することが求められる。
2 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントによる被害を受けたと思うときに望まれる対応
職員は妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに係る言動を受けた場合、次のような行動をとるよう努めることが望まれる。
(1) 自分の意に反することは相手に対して明確に意思表示をすること。
妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントに対しては毅然とした態度をとること。すなわち、はっきりと自分の意思を相手に伝えることが重要である。直接相手に言いにくい場合には、手紙等の手段をとるという方法もある。
(2) 信頼できる人に相談すること。
まず、職場の同僚や知人等身近な信頼できる人に相談することが大切である。各職場内において解決することが困難な場合には、内部又は外部の相談機関に相談する方法を考える。なお、相談するに当たっては、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメントが発生した日時、内容等について記録しておくことが望ましい。
附則
この訓令は、令和6年4月1日から施行する。