○美咲町職員のパワー・ハラスメントを防止しパワー・ハラスメントに関する門題を解決するために職員が認識すべき事項についての指針

令和2年5月22日

訓令第34号

第1 パワー・ハラスメントを防止し円滑な業務運営を行うために職員が認識すべき事項

1 基本的な心構え

職員は、パワー・ハラスメントに関する次の事項について十分認識しなければならない。

(1) パワー・ハラスメントは、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又は職員の勤務環境を害するものであることを理解し、互いの人格を尊重し、パワー・ハラスメントを行ってはならないこと。

(2) 業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示、指導、調整等についてはパワー・ハラスメントに該当しないこと。一方、業務指示等の内容が適切であっても、その手段や態様等が適切でないものは、パワー・ハラスメントになり得ること。

(3) 部下の指導・育成は、上司の役割であること。また、指導に当たっては、相手の性格や能力を充分見極めた上で行うことが求められるとともに、言動の受け止め方は世代や個人によって異なる可能性があることに留意する必要があること。

(4) 自らの仕事への取組や日頃の振る舞いを顧みながら、他の職員と能動的にコミュニケーションをとることが求められること。

(5) 職員間におけるパワー・ハラスメントにだけ留意するのでは不十分であること。

例えば、職員がその職務に従事する際に接することとなる他団体の職員との関係にも十分留意しなければならない。

(6) 職員以外の者に対してもパワー・ハラスメントに類する言動を行ってはならないこと。

2 パワー・ハラスメントになり得る言動

パワー・ハラスメントになり得る言動として、例えば、次のようなものがある。

(1) 暴力・傷害

ア 書類で頭を叩く。

イ 部下を殴ったり、蹴ったりする。

ウ 相手に物を投げつける。

(2) 暴言・名誉毀損・侮辱

ア 人格を否定するような罵詈雑言を浴びせる。

イ 他の職員の前で無能なやつだと言ったり、土下座をさせたりする。

ウ 相手を罵倒・侮辱するような内容の電子メール等を複数の職員宛てに送信する。

(注) 「性的指向又は性自認に関する偏見に基づく言動」は、セクシュアル・ハラスメントに該当するが、職務に関する優越的な関係を背景として行われるこうした言動は、パワー・ハラスメントにも該当する。

(3) 執拗な非難

ア 改善点を具体的に指示することなく、何日間にもわたって繰り返し文書の書き直しを命じる。

イ 長時間厳しく叱責し続ける。

(4) 威圧的な行為

ア 部下達の前で、書類を何度も激しく机に叩き付ける。

イ 自分の意に沿った発言をするまで怒鳴り続けたり、自分のミスを有無を言わさず部下に責任転嫁したりする。

(5) 実現不可能・無駄な業務の強要

ア これまで分担して行ってきた大量の業務を未経験の部下に全部押しつけ、期限内に全て処理するよう厳命する。

イ 緊急性がないにもかかわらず、毎週のように土曜日や日曜日に出勤することを命じる。

ウ 部下に業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる。

(6) 仕事を与えない・隔離・仲間外し・無視

ア 気に入らない部下に仕事をさせない。

イ 気に入らない部下を無視し、会議にも参加させない。

ウ 課員全員に送付する業務連絡のメールを特定の職員にだけ送付しない。

エ 意に沿わない職員を他の職員から隔離する。

(7) 個の侵害

ア 個人に委ねられるべき私生活に関する事柄について、仕事上の不利益を示唆して干渉する。

イ 他人に知られたくない職員本人や家族の個人情報を言いふらす。

(注) 第1号から第7号までの言動に該当しなければパワー・ハラスメントとならないという趣旨に理解されてはならない。

3 懲戒処分

パワー・ハラスメントは懲戒処分に付されることがある。職員以外の者に対し、パワー・ハラスメントに類する言動を行ったときも、信用失墜行為、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行などに該当して、懲戒処分に付されることがある。

第2 職場の構成員として良好な勤務環境を確保するために認識すべき事項

勤務環境はその構成員である職員の協力の下に形成される部分が大きいことから、パワー・ハラスメントが行われることを防ぐため、職員は、次の事項について、積極的に意を用いるように努めなければならない。

1 パワー・ハラスメントについて問題提起する職員をいわゆるトラブルメーカーと見て問題を真摯に取り上げないこと、又はパワー・ハラスメントに関する問題を当事者間の個人的な問題として片付けることがあってはならないこと。

職場におけるミーティングを活用することなどにより解決することが出来る問題については、問題提起を契機として、良好な勤務環境の確保のために皆で取り組むことを日頃から心掛けることが必要である。

2 職場からパワー・ハラスメントに関する問題の行為者や被害者を出さないようにするために、周囲に対する気配りをし、必要な行動をとること。

具体的には、次の事項について十分留意して必要な行動をとる必要がある。

(1) パワー・ハラスメントやパワー・ハラスメントに当たるおそれがある言動が見受けられる場合は、職場の同僚として注意を促すこと。

(2) 被害を受けていることを見聞きした場合には、声をかけて相談に乗ること。

3 パワー・ハラスメントを直接に受けていない者も気持ちよく勤務できる環境をつくるために、パワー・ハラスメントと思われる言動が行われている状況について上司等に相談するなどの方法をとることをためらわないこと。

第3 自分が受けている言動がパワー・ハラスメントではないかと考える場合において職員に望まれる事項

職員は、自分が受けている言動がパワー・ハラスメントではないかと考える場合には、その被害を深刻にしないために、次の事項について認識しておくことが望まれる。

1 一人で抱え込まずに、相談窓口や信頼できる人等に相談すること。

問題を自分一人で抱え込まずに、職場の同僚や知人等身近な信頼できる人に相談することが大切である。各職場内において解決することが困難な場合には、内部又は外部の相談機関に相談する方法を考える。なお、相談するに当たっては、パワー・ハラスメントであると考えられる言動が行われた日時、内容等について記録しておくことが望ましい。

2 当事者間の認識の相違を解消するためのコミュニケーション

パワー・ハラスメントは、相手に自覚がないことも多く、よかれと思っての言動であることもある。相手に自分の受け止めを伝えたり、相手の真意を確認したりするなど、話し合い、認識の違いを埋めることで事態の深刻化を防ぎ、解決がもたらされることがあることに留意すべきである。

この訓令は、令和2年6月1日から施行する。

美咲町職員のパワー・ハラスメントを防止しパワー・ハラスメントに関する門題を解決するために…

令和2年5月22日 訓令第34号

(令和2年6月1日施行)

体系情報
第4編 事/第4章
沿革情報
令和2年5月22日 訓令第34号