○美咲町文化財保護条例
平成17年3月22日
条例第135号
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法及び岡山県文化財保護条例(昭和50年岡山県条例第64号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財を除き、美咲町の区域内に存する文化財のうち重要なものを保存し、かつ、その活用を図り、もって町民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。
(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他有形の文化的所産で、我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地、その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)
(2) 演劇、音楽、工芸技術、その他の無形の文化的所産で、我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)
(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗、慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋、その他の物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)
(4) 貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅、その他の遺跡で我が国にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳、その他の名勝地で我が国にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で我が国にとって学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)
(指定、選定及び認定)
第3条 美咲町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、美咲町内(以下「町内」という。)に存する文化財のうち美咲町指定文化財(以下「町指定文化財」という。)として次の各号に掲げる指定を行うことができる。
(1) 有形文化財のうち重要なものの美咲町指定重要文化財(以下「町指定重要文化財」という。)への指定
(2) 無形文化財のうち重要なものの美咲町指定重要無形文化財(以下「町指定重要無形文化財」という。)への指定
(3) 有形の民俗文化財のうち重要なものの美咲町指定重要有形民俗文化財(以下「町指定重要有形民俗文化財」という。)へ、及び無形の民俗文化財のうち重要なものの美咲町指定重要無形民俗文化財(以下「町指定重要無形民俗文化財」という。)への指定
(4) 記念物のうち重要なものの美咲町指定史跡、美咲町指定名勝又は美咲町指定天然記念物(以下「町指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)への指定
2 教育委員会は、町内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のため欠くことのできないもの(法及び県条例の規定により選定されたものを除く。)のうち保存の処置を講ずる必要があるものを美咲町選定保存技術(以下「町選定保存技術」という。)として選定することができる。
(告示及び通知)
第4条 教育委員会は、前条の規定による指定、選定及び認定については、その旨を告示するとともに当該文化財所有者及び権限に基づく占有者並びに認定しようとする保持者、保持団体又は保存団体に通知するものとする。
(解除)
第5条 教育委員会は、第3条の規定により指定された文化財が町指定文化財としての価値を失った場合、又は選定された伝統的な技術又は技能で保存の処置を講ずる必要がなくなった場合、又は認定された保持者、保持団体又は保存団体が保持者、保持団体又は保存団体として適当でなくなった場合、その他特殊の事由があるときは、その指定、選定及び認定を解除することができる。
(指定書)
第6条 教育委員会は、第3条第1項第1号の規定による町指定重要文化財又は同第3号の規定による町指定重要有形民俗文化財の指定をしたときは、当該文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
2 前条の規定により町指定重要文化財又は町指定重要有形民俗文化財の指定の解除の通知を受けたときは、所有者は、速やかに指定書を教育委員会に返付しなければならない。
(管理義務)
第7条 町指定文化財の所有者は、この条例並びにこれに基づいて発する教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、当該文化財を管理しなければならない。
(管理責任者)
第8条 町指定文化財の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該文化財の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。
2 管理責任者には、前条の規定を準用する。
(所有者の変更による権利義務の承継)
第9条 町指定文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、当該文化財に関しこの条例に基づいて行う教育委員会の勧告、指示、その他について旧所有者の権利義務を承継する。
2 前項の場合には町指定文化財の旧所有者は、当該文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者に引き渡さなければならない。
(指定、選定及び認定又は解除の審議)
第10条 教育委員会は、次の各号に掲げる場合は別に定める美咲町文化財保護委員会にあらかじめ諮問しなければならない。
(1) 第3条第1項の規定による町指定文化財の指定をしようとするとき。
(2) 第3条第2項の規定による町選定保存技術の選定をしようとするとき。
(3) 第3条第3項の規定による町指定重要無形文化財の保持者又は保持団体及び町選定保存技術の保持者又は保存団体を認定しようとするとき。
(4) 第5条第1項の規定による指定、選定及び認定を解除しようとするとき。
(届出)
第11条 町指定文化財の所有者又は管理責任者若しくは保持者、保持団体又は保存団体は、次の各号に掲げる場合、速やかに教育委員会に届け出なければならない。
(1) 所有者又は占有者が変更したとき。
(2) 管理責任者を選任又は解任したとき。
(3) 所有者、占有者若しくは管理責任者の氏名、若しくは名称又は住所の変更があったとき。
(4) 町指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗みとられたとき。
(5) 町指定文化財を修理しようとするとき。
(6) 町指定文化財の所在の場所を変更しようとするとき。
(7) 町指定文化財に係る土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったとき。
(8) 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき。
(9) 保持団体又は保存団体が、名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したとき。
(現状変更等)
第12条 町指定重要文化財及び町指定史跡名勝、天然記念物に関し、その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為(以下「現状変更等」という。)をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については、維持の処置又は非常災害のために必要な応急処置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為について影響が軽微である場合(以下「維持の処置等」という。)は、この限りでない。
2 町指定重要有形民俗文化財に関し、前項の行為をしようとするときは、維持の処置等を行う場合を除き教育委員会へその旨を届け出なければならない。
(指導、助言及び勧告)
第13条 教育委員会は、町指定文化財の所有者、管理責任者、保持者、保持団体又は保存団体に対して、当該文化財又は町選定保存技術の保存のために必要な勧告、指導又は助言を行うことができる。
(環境保全)
第14条 教育委員会は、町指定文化財の保存のため必要があると認めるときは、当該文化財の環境保全について指示することができる。
(標識等の設置)
第15条 教育委員会は、町指定文化財の保存に関し、別に定める標識、説明板等必要な施設を設置することができる。
(出品及び公開等)
第16条 教育委員会は、町指定文化財の所有者、管理責任者、保持者又は保持団体に対して当該文化財の出品又は公開を勧告することができる。
2 前項の規定による出品又は公開のために要する費用は、その全部又は一部を教育委員会の負担とすることができる。
(調査)
第17条 教育委員会は、必要があると認めるときは町指定文化財の所有者、管理責任者、保持者、保持団体又は保存団体に対して、当該文化財又は町選定保存技術の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(補助金)
第18条 町指定文化財又は町選定保存技術の管理、修理、復旧若しくは保存につき多額の経費を要し、その所有者、管理責任者、保持者、保持団体又は保存団体がその負担に堪えない場合、その他特別の事情がある場合には教育委員会はその経費の一部に充てさせるため予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の規定による補助金を交付する場合には、教育委員会は当該補助金に係る事業に関し必要な指示をするとともに必要があると認めるときは指揮監督をすることができる。
(保護委員会の設置)
第19条 美咲町に、美咲町文化財保護委員会(以下「保護委員会」という。)を置く。
(保護委員会の任務)
第20条 保護委員会は、文化財保護及び活用に関し、教育委員会の諮問に答え、意見を具申し、若しくはこのために必要な調査研究を行う。
(保護委員)
第21条 保護委員の定数は12人以内とし、前条の任務達成に協力する者の内から教育委員会が委嘱する。
(保護委員の任期)
第22条 保護委員の任期は、2年とする。ただし、再任をさまたげない。
2 保護委員に欠員が生じたときは、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(委任)
第23条 この条例の施行について必要な事項は、教育委員会規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年3月22日から施行する。