横川吸虫は、明治44年横川定が台湾で動物実験により初めて検出したもので、翌年(1912)桂田博士により命名されたものである。当時は広く日本各地・中国・マレーシア・シベリア・バルカン諸国等に蔓延し、スペインからも人体寄生例が報告された。
昭和24年(1949)最近永吉は宮崎県福島町においてこの吸虫の駆虫を行い、一回の駆虫で30,462匹を採取したと記録があるぐらい世界中で蔓延していたようです。
形態
固定したものは小卵円形であるが生活時には全体部を伸縮して盛んに活動する。大きさは通常1.0〜1.5mm×0.45〜0.73mmで、口吸盤は体の前端腹面にあるが腹吸盤は生殖盤と合同で生殖腹吸盤装置を作り、その全形は卵円形であって体の中に埋もれて後体部の前境右腸脚に接し、斜めにある。睾丸は球形乃短楕円形で後端に近い排泄 の左右両側に斜めに位置している。卵巣は球形で後体部の中央に、その後方に受精袋・前方に貯精袋がある。卵黄巣は後体部の両側縁に近く、子宮は後体部にあり迂曲している。
卵
淡黄色楕円形で小蓋があり、大きさは通常0.028mm〜0.032mm×0.015〜0.018mm。肝吸虫卵に類似しているが、卵殻は前極から後極に向かって僅かに肥厚している。しかし、肝吸虫にみるようなコンマ状の小刺は無い。また、小蓋縁の肥厚も無く小蓋と他の卵殻とは同一曲線上にあるので小蓋と他の卵殻との境界線は不明である。また、卵殻の表面には特有な亀甲状の絞りは無い。
発育史
卵子が肝吸虫卵に似ているばかりでなく、その発育史も非常によく似ている。卵殻内には産卵時既に幼仔虫が居り、水中で孵化する事無く第1中間宿主である河貝子(Melania libertina,M.ebeninaその他の近似種)に摂取し、初めて孵化した後段階を経て有尾仔虫となる。有尾仔虫は長い1本の尾があり、体は円筒形であり成熟すると随時水中に移行し諸種の淡水魚に侵入する。特に淡水に生息する鮎に多く寄生し、その鮎を食用にする人に多く発見された。
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